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花咲く大ドッケから酉谷山避難小屋へ
2013/ 3/15〜16
フクジュソウ(1)
■ 3月15日・土曜日 (1日目) ■
里の気温の高い日が続いたので、大ドッケのフクジュソウ(福寿草)群落地にも春が訪れるころだろうと、浦山大日堂から登ることにした。平日だから人も少ないだろうと思っていたが、駐車場は最後の1台に。と言っても、ほとんどが工事の車で、先客の車は1台とみた。今やツアー登山会社が、大きな山岳会が何十人も引き連れて登るようになっているので、静かな山歩きを楽しみ静かにフクジュソウを鑑賞するには、平日、それも早いうちしかない。山道を辿ると数人の足跡があるが、いくら歩いても人影を見ることはない。
ポイントとなる地点の下流を見る
昨年までは、地元の方々が大ドッケへの道を途中まで普請してくれていた。しかし、今年はそれもなく、1か所は崩壊が著しいので注意が必要である。前者の足跡は淡々と上流へ登っている。早春にツキノワグマが棲みかにする倒木まで達すると標高にしてあと200mほどである。
根本はツキノワグマの棲家
うららかな春のひかりを浴びながら斜面を詰めると、フクジュソウの絨毯が目に入る。群落地に先行者の姿はない。すでに大ドッケから峠ノ尾根方面にでも向かったのか。(大平山への稜線に足跡はなかった。)複数の足跡があったにもかかわらず、群落地の中に立ち入った形跡はない。(フクジュソウに聞くと、「こんな人たちに訪れてほしい。」と言っていた。)
フクジュソウ(2)
フクジュソウたちは、降り注ぐ光を浴びようと思い思いに花びらを広げている。誰もいない静かな山の中の別天地を右側の周縁から上部へと辿る。昨年、カメラ小僧ならぬカメラ中年たちが踏み荒らしたところを見てみると、そこはまったくの裸地になっている。そこだけの話ではないが、ちょっと薄いところに足を踏み入れるから放射状の道があちこちに出来上がっている。
フクジュソウ(3)
本当は、足許のフクジュソウを愛でてやって、全体を俯瞰するときに周縁にまとまっているフクジュソウを撮ってあげればいいのだが、そんなことも言っていられないのだろう。自分ひとりの力で来られるのならそこまでガツガツはしない、というような声が聞こえそうだ。明日は、大平山から峠ノ尾根に直接下りるのでもう会えないからと、名残惜しく15分もいてしまった。そろそそ尾根筋に上がらなくては・・・。
フクジュソウ(4)
いつもは、フクジュソウの地からの支尾根を登るのだが、今日は少し南側の沢状地帯を登ってみる。最初は何とかなりそうだったが、尾根に近づくにしたがって枯れたスズタケが密生の急斜面となって往生する。尾根に出ると雪が残ったところは圧雪がカチンカチンに氷化していて登り斜面で苦労する。最近人が歩いた様子はない。大ネド尾根分岐からはほぼ南斜面を下ることになることから、春の陽を浴びることになる。静かで平和なひとときである。
フクジュソウ(5)
大平山で小休止し、20分間のランチタイム。最近は感性が鈍ってきて、体がそれほど休憩を欲しなくなっていると思わされるし、水分補給も同じようになっているから、強制的な休憩と水分補給を心掛ける。大平山からちょっと下りると天目山林道で、前回は雪が一杯積もっていたのに、まったくの春の様相を見せている。ここから少し長い尾根の登りをこなしてようやく七跳山となる。
フクジュソウ(6)
七跳山から下って長沢背稜に出ると、昨晩降った雪の名残の上に酉谷山方向からのはっきりした踏み跡が一人分ある。ということは、一杯水方向からは誰も歩いていないことから、今夜は小屋は独占だと、足取りも軽い。そして、酉谷山避難小屋が見えてきて、酉谷山から下りてきた足跡も、雲取山からの足跡もないことから、その確信を深め小屋の写真を撮りながら下りていくと、ガラス越しに人の気配が見える。
酉谷山避難小屋
聞くと、昨晩は一杯水避難小屋に泊まり、早いうちに酉谷山避難小屋に着いたと言うから、今日の陽気で雪の上の足跡が判然としなくなったのだろう。同じ年の人で、夏はテント泊、酉谷山も大好きと言うことで話が弾んだが、明日は午前3時起床とのことなので早々に切り上げ、湯たんぽの入ったシュラフに潜り込む。
往路(1日目) | 復路(2日目) | |||||
着 | 地点 | 発 |
着 | 地点 | 発 | |
浦山大日堂 | 0905 | 酉谷山避難小屋 | 0640 | |||
1130 | 大ドッケ | 1145 | 0735 | 七跳山 | 0735 | |
1225 | 尾根 | 1225 | 0820 | 大平山 | 0830 | |
1320 | 大平山 | 1320 | 0905 | 下降点 | 0905 | |
1415 | 七跳山 | 1415 | 0915 | 大ドッケ | 0930 | |
1505 | 酉谷山避難小屋 | 1120 | 浦山大日堂 | |||
所要時間 | 0600 | 所要時間 | 0450 |