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ヨコスズ尾根〜酉谷山避難小屋〜タワ尾根
2014/ 6/ 6〜 7



 6月6日(金)

 雨でも、縦走時にはその中を歩かなければならないときがある。雨の中を歩くに際しどのような対応を採るか、それによってどのようなことが期待され、期待通りにならないことは何かを知ることは有益である。というような言い訳をしつつ、2日間とも終日雨マークの奥多摩へと向かった。梅雨の時期の対策としては @アクシーズクイーンのゴアの薄手のレインスーツ上下 A同レインハット BSKINSのタイツの上に直接レインのスラックス C防水クリーム塗布の登山靴に防水スプレーの2度噴霧 Dウールの下着・靴下 Eウールの着替え Fザックの中は厚手のビニール袋で濡れ対策 Gシュラフにはさらに防水のスタッフザック、ということで準備万端。

1日目の行程は、ヨコスズ尾根から登って長沢背稜を酉谷山避難小屋へ、2日目は長沢背稜を辿ってタワ尾根を下りるコースとした。こんな雨の中を登る酔狂な人はいないだろうが、一応ファイントラックのツェルト一式を持参し、万一に備えた。水はポカリを含め2.3リットルとした。

東日原の駐車場(有料:500円/1日)に車を停め、急な登山道を我慢に我慢を重ねて歩くこと2時間、目の前にぽっかりと一杯水避難小屋が浮かんだ。小休止ということで小屋に入り、コンビニ調達のいなりを頬張る。雨に濡れた顔を手ぬぐいで拭こうとすると、顔の近くで手ぬぐいに止まっていたクロスズメバチが目に入る。とっさに手ぬぐいを振り払うと、クロスズメバチは左手薬指にガツンと針を刺す。いててててててて〜、いてててててて〜とは言わなかったが、酷く痛かった。

刺されたところにスズメバチの針が残っていないか確認する。針は確認できないものの、爪で抜き取るしぐさをを2〜3回、その後指の根元をしっかり止血するようにして虫用のクリームを塗布、カットバンで圧着。口での吸い取りは、怖いからしなかった。取りあえずスキンスキン、チクチクと痛いが酉谷山へ向け出発する。

薬指のカットバンで圧力をかけた手前の甲の方が晴れてくる。手のひらも赤くなってくる。しかし、血管周辺に浮腫は出てこない。水は嚥下できる。気道は腫れていないようだ。30分後にこの状態のまま推移すればだいじょうぶだろう。足取りも軽い。休みなく歩いて1時間45分で酉谷山避難小屋に着いてしまった。下着はびしょ濡れ、レインウェアーの裏面は蒸泄によりひどいことになっている。ただ、これほどの雨にも関わらず、靴下は濡れなかった。

2009年の秋、平標山へ登っている途中でスズメバチにガツンとやられ、気管支が腫れて水が喉を通らなくなり、湯沢町の病院で治療を受けたことがあった。この次はアナフィラキシーの症状が出るぞ、怖いぞ、危ないぞと思っていたが、今回も不意打ちを食らった。ビールや酒は血の巡りが促進されるので、今日の体には悪いとは思いつつ、いつも以上の量の酒を飲んでしまった。なんという幸せな酔い心地であろうか。


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復路   
 着  地点 発  着  地点  発 
   東日原バス停 0845    酉谷山避難小屋      0645 
1045  一杯水避難小屋 1200 0730  タワ尾根分岐  
1245  酉谷山避難小屋   1030  東日原バス停  
 所要時間 0400 所要時間  0345