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酉谷山避難小屋からタワ尾根を下る
2015/ 2/13〜14

酉谷山避難小屋


 2月14日(土)

 夜中、暑くて目が覚めた。イスカ エア 630EXは−15℃対応なので、それもありなん。早朝の室温は−6℃だったのでオーバースペックということ。それにスマートウールのブーツトップボトムを着用していたこともある。しかし、明け方はやはり寒かった。目が覚めたときにボトムを脱いだからだった。室内のプラティパスの水は少し凍っていた。


酉谷山避難小屋から タワ尾根と富士山

 昨日のうちに決めていたように、2日目の今日は計画を変えタワ尾根を下りるだけなので、日が昇ってからのんびりと起きることにする。起きてから、まずはコーヒーを一杯。その後水場の流れを見て水を得てから食事。身の回りを整理してから小屋の清掃を行うと、夜明け前には起きていたのに瞬く間に時が過ぎてしまう。


 酉谷山避難小屋の水場

 もう9時近くになってしまったので、名残惜しいが出発することに。起きた時の外気温は−12.5℃だったが出発時は−8℃ほどになっている。グローブの中にホッカイロを忍ばせ小屋を後にする。


酉谷山避難小屋

 いつ来ても、いつの時期に歩いても長沢背稜の光景は、タワ尾根とともに素晴らしい。これほどの大樹・巨樹でなる自然林が残っていて人も少ない。数年前はツキノワグマの足跡がタワ尾根を中心に多かったが、今年その足跡を見たのは1日目のタワ尾根でのことで、それも1頭分だけであった。あとは小動物のものだけ。なお、鹿の足跡は感想の対象外!


長沢背稜

 酉谷山避難小屋から一気呵成にタワ尾根(合流部)まで歩く。この後、タワ尾根を下るがヘリコプターが何度も何度も上空を大きく旋回し、小川谷から孫惣谷にかけて周回している。そういえば昨日のこと、あった一人分のトレースが長沢背稜から躊躇することなく喜右衛門尾根に入っていっているので、もしやこの人とかとも思う。なお、喜右衛門尾根では以前ザックが発見されていて、それは2013年に行方不明となった人のものと思われているが、いまだご本人の発見には至っていない。(東京都山岳連盟のHPへ) 


タワ尾根から 雲取山と雲取小屋

 午前12時ごろ、金袋山手前辺りで止り装備の単独女子と交差する。先方様の表情筋がまったく動かなかったように見えたので声は掛けず、軽く目を合わせただけだった。テントでのビバークも予定しているのだろう。この時間でこの場所ということでは、もし酉谷山に泊まるということだったら到着は陽が落ちてからのことになろうが、パッキングがすっきりしていてベテランさんとお見受けしたので、心配は余計な御世話だ。奥多摩小屋では、夏のシーズンには夥しい数のテントが設営されているようで、もはや自然景観との調和の上でも社会問題になりそうだが、酉谷山避難小屋周辺は奥多摩自然保護官事務所からお達しが出ているので、そのようなことを危惧する必要はない。そもそもこのお達し発出の端緒はどこかのおばさんの訴えによるものだったらしい。


東日原集落

 しばらくぶりの公共交通機関を利用した山であった。東日原発のバスまで時間の余裕があるからと、木々や景色を眺めながらのんびり一石神社近くまで下りてきた。登山道とは言えない踏み跡脇に不安定に見える大きい石があった。これが落ちたら面倒だなとその石を見やりながら次の一歩を踏み出すと、乗っかった別な石(浮石)がポロッと崩れ落ち、ガバッともんどりを打つ。せっかく山で忘れて戻ってきたLEKIのポールは折れ曲がるし臀部をしこたま打つ。バス停ではハイカーがおおっぴらにスパスパ煙草を吸っていて煙をたなびかせており、しまらない幕切れであった。


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