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酉谷山避難小屋でたき火をするという振る舞い
2018/ 12/10〜11


[1日目]
2018/12/10(月)
ヨコスズ尾根〜一杯水避難小屋〜酉谷山避難小屋(泊)


ヨコズズ尾根

初冬を迎えた酉谷山避難小屋でのんびりしようと、ヨコスズ尾根〜長沢背稜を歩くことにした。今日の小屋での楽しみは、繁枡の生酒とメスティンで蒸す中村屋の肉まんにある。新聞休刊日なのでコンビニでスポーツ紙を買い求める。GPファイナル女子で優勝した紀平梨花さんのニュースが満載だが、特筆すべきことはその体脂肪率が6%であるということ。それに比べ・・・。


ヨコスズ尾根

ザックにはビール、菊水の缶、繁枡を入れたほか、各種つまみに中国産の殻付きピーナツもある。登山で消費されるカロリーは知れているから、今回も下山後の体重は確実に増えていること間違いなしである。

ピーナツ(落花生)と言えば、日本の自給率は10%を少し超える程度であり、国内需要を賄うことができないばかりか、とても高価である。なので日常的に中国産ピーナツのお世話になっている。


一杯水避難小屋

サラ・ボンジョルニの「チャイナフリー 中国製品なしの1年間」(2008)をかなり前に読んだが、アメリカで中国製品なしで日常の生活を送ることは非常に困難だという中身であった。栄養価の高いおいしいピーナツを食べたいが、国産は生産量も少なく高価で手を出せない。なので過剰に農薬が使われている中国産であっても食べなければられない。

ではどうするのか。自分で作るしかない。ということで今年、「千葉半立」という品種の落花生を無農薬、有機栽培で作ってみた。野菜を無農薬で作るのは至難の業である。食用に供せないもの(廃棄)が多く出る。その千葉半立も褐斑病が出て莢の表面がきれいではなかったが、害虫の被害はなくそこそこの収穫があった。しかし、圃場で1週間乾燥させてからさらに1か月野積みし、その後莢を一つ一つ取って汚れを洗い落とし、乾燥させ、莢から身を取り出してフライパンで煎るという長い手順があって初めて食することができる。これほど手間暇かけたものは100g1,000円で売られていてもしかたがないなというのが、にわか生産者の感想である。


酉谷山避難小屋

そんな、酒や酒のつまみのことを考えながら長沢背稜を酉谷山避難小屋に向け歩いていると、午後も1時過ぎだという時間に単独氏とスライドした。小屋出発は午前11時過ぎであろうか。ずいぶんのんびりと小屋ライフを楽しまれた様子だ。


酉谷山避難小屋

単独氏は小屋には誰もいませんよとと言っていたし、酉谷山避難小屋と酉谷峠の分岐点から見ると雲取山方向からの登山者の足跡はなく、小屋に人はいない様子だ。それでは今日はのんびりとさせていただこうと小屋への道を下りる。すると小屋前に異変があった。


酉谷山避難小屋

長沢背稜でスライドした単独氏は、酉谷山避難小屋に泊まったと言っていたし、小屋ノートにもそのように書かれていた。普通の人なら奥多摩の小屋でたき火をするというのは、規則があろうが法律で禁止されていようがいまいが、まずいのではないかと言う当たり前の疑問を持つものだと考えられると思う。単独氏はそのようなことをして平気な人というような感じはまったくなかった。

8日〜9日に酉谷山避難小屋を利用した方もいて、その人はたき火跡を見ている。その前の週の平日にでも愚行があったのだろう。薪となるものは小屋横から斜面を上り下りして採ったものと思われる。足跡が付いていた。トレッキングポール用としてでも使おうかと残しておいたであろう棒が2本、薪用の棒や枝も少なからず残されていた。


酉谷山避難小屋

平日・暇人・年寄り・男・偏屈・・・。な〜んだ、自分のことか。そんな山でもまれに見かける人間像が浮かんでくる。いずれにしても見つけ次第、打ち首獄門がふさわしい所業だ。

一杯水避難小屋には、炭が段ボール箱のまま持ち込まれていた。煮炊きにでも使うのだろうか。


酉谷山避難小屋小屋横から斜面を上り下りした跡

大きな真サバを3枚下しにし、パットに塩を敷いてサバを乗せ、その上にサバがすっかり隠れるほど塩を乗せて3時間ほど寝かせる。理想的には酢でその塩をすっかり洗い落とすといいが酢を無駄に使うので、水で塩を洗い落とす。

日高昆布でサバをサンドイッチ状にして深い皿などに入れ、酢で3時間ほど浸す。そうすることでサバはすっかり身が締まり、時間を掛けて山に持っていっても心配なく食べられる。出汁を取るための昆布はそのまましめ鯖と一緒に持って行って食べることになる。

昆布はミネラルが豊富で、海藻に含まれる「フコキサンチン」は体脂肪を燃やし血糖を下げると昆布協会のホームページに書いてある。その昆布で巻いたしめ鯖を持ってくるのを忘れてしまった。


メスティンを蒸し器として使う

陽が沈んだ午後6時ごろの小屋の外気温はマイナス8℃、小屋内は+4℃であった。フォックスファイヤー製のへイルストーム ダウンパンツを着用し、ダウンジャケットを着込んでいてもじっとしていると寒く、小屋の毛布のお世話になる。(※ へイル ストーム hailstorm 激しく降る雹)

甲武信小屋は、かつては冬季小屋として一部が解放され、きれいな毛布や布団が何組か置かれていたが、今は完全にシャットアウトされている。理由は簡単だ。使い方がだらしないからだ。酉谷山避難小屋でも毛布の上で飲食し、汚したまま平気で折りたたんで知らん顔をしている者が少なからずいる。

だらしない社会は、かえってだんだん規制が厳しくなって住みづらくなる。そんな当たり前のことが分からず、自分だけがよければ、今がよければという人間がいないわけはないから、まぁしょうがないか。

今回行ってみると、棚の上にあったローソクはすべて撤去されていた。8日にビジターセンターから人が来たということだから、整理したのだろう。小屋の窓辺に何度も焦がした跡があるから、火事にならないうちにこのようなものは整理されるできである。その前に、日帰りでもヘッドランプを持つのは常識化されているのだからこのような物をわざわざ持ってきて置かない方がいい。


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