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危険につきルート変更!酉谷山避難小屋からヨコスズ尾根へ

2011/ 3/24〜25

     

  3月25日 (2日目) 

 昨夜も雪が降り続いた。昨日の赤岩ノ頭での登りの困難さを考えると、酉谷山から熊倉山のルートの下りは同様の状態にあると考えられる。今日は昼から天候が崩れると言う。安全のために下山ルートを何度か歩いたヨコスズ尾根に変更することに決める。途中の一杯水避難小屋で休み、バスの発車時刻までの時間調整に当てることにする。


酉谷山避難小屋

 長沢背稜の道は新雪で覆われている。もうすぐ4月だというのに朝の気温はマイナス7度であった。しっかりとした服装で寒さ対策をし歩き出す。風に吹かれて木々から雪が舞い落ちてくる。赤岩ノ頭で左太ももに打撲を負ったので、ゆっくりと歩く。七跳尾根分岐でいったんメールチェックができたが、すぐ圏外となってルート変更の知らせはできなかった。一杯水避難小屋ではアンテナが立ったのでルート変更を知らせる。

 いつも歩きながらラジオを聴いている。文化放送で野村邦丸さんが放送の「くにまるジャパン」のオープニング曲がこの大震災に際し、「くにまるジャパン〜」から「がんばれジャパン〜」に変更された。その短いながら心の底からじわりと感情が湧いてくるような曲を聴くたびに胸が張り裂けそうになる。「がんばれジャパン!」


酉谷山避難小屋から長沢背稜への登り

 東日原に下りると、スミレが花を咲かせオオイヌノフグリが群れていた。春は確実に近づいている。心配していた燃料不足によるバスの運休もなく、無事奥多摩駅まで行くことができた。駅で新聞や飲み物を調達し電車に乗ろうとしたとき、駅で手にしたパンフレットを落としたが気付かなかった。女性の車掌さんが「落し物ですよ。」と言ってパンフレットを拾って、手で拭ってから手渡してくれた。奥多摩からのJR青梅線は、今日は計画停電の影響で16時30分から22時まで運休との車内アナウンスがあった。


オオイヌノフグリ

 奥多摩駅で手にした新聞の「編集手帳」欄に

さくらだといふ
春だといふ
一寸、お待ち
どこかに
泣いている人もあらうに


という大正期の詩人の「桜」と題する詩が紹介されていた。

同時に、「誰かが世の中の歯車を動かさねばならない、
季節の催事も歯車の一つだろう」とも編集手帳は言っている。

東日原からのバスの乗客が自分ひとりだけであったことは、
そのいずれのことも言い当てていると感じた。


往路    復路 
 着 発  地点    着  発  地点 
   0815 武州中川駅   0800  酉谷山避難小屋 
0945 0945  大反山への分岐    0910  0920  七跳尾根分岐 
1005 1005  クビレ   1005  1005  ハナド岩 
1100  1115  篠戸山   1045  1130  一杯水避難小屋 
1300  1310  矢岳   1320    東日原バス停 
1525  1525  1568m        
1625  1625  稜線        
1710    酉谷山避難小屋        

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