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晩夏のヤマシャクヤク群落地 (2010)

 2010年 9月 9日 


 花の季節はこんな感じであった 

 2日間の連休が取れたので北岳に登ろうと計画していたが、
台風9号の影響で稜線でのテント泊は不可能になった。
そこで東日原からタワ尾根を登り酉谷山避難小屋でのんびりしようと車を走らせたが
予報に反し、夜も明けやらぬうちに雨が降ってきたので、
何度か車をUターンさせてはまた走るなど逡巡した挙句、
この日の山登りは中止した。 

 家に戻ると、叩き付けるような雨が降りその雨は夕方まで続いたので
山登りを中止したことは正解だったのだが、
しばらく歩いていないので、どうしても山を歩きたかった。
我が家の庭のヤマシャクヤクはまだ葉も茎も青々としているが、
あの群落のヤマシャクヤクはどのような姿を見せているのだろうかと気になっていたので、
疲れた体に鞭打って9日、群落地のある山までロングドライブをすることとした。 



 台風が通過し、澄み切った初秋の青空を期待していたが、
小雨が降り湿度は限りなく100%に近そうだ。
山道に茂った草木もすっかり濡れていてビショビショになる。
ヤマシャクヤクの群落地に直行すると歩く距離が短くなるので、
3時間ほど回り道をして本丸に入る。

 群落地はすっかり草に覆われていて、春の様相とはまったく違う。
ヤマシャクヤクはどれも枯れていて、あるいはもう腐敗が始まっていて、
その特異な姿の種子が見つけられなければ、
どこにヤマシャクヤクの株があるのか分からない。


唯一緑の葉を残していたヤマシャクヤクの株

 

 ヤマシャクヤクやベニバナヤマシャクヤクの種には赤いものと黒い(山葡萄色)のものがある。
赤いものを「偽種子」、黒いものを「本種子」というのだそうだが、

その配色の妙には驚くばかりだ。これが野鳥の目に留まって種が運ばれ、分散されるのだろう。

 山道に戻って車を停めた場所まで下りる。
ヤマジノホトトギスやフシグロセンノウがわずかに咲いている。
久しぶりに汗をたっぷり流しながら歩いた。


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