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とっておきの山・ヤマシャクヤクの群生地へ (2015)
2015/ 5/15


毎年一番先に訪れるグループの一員のヤマシャクヤク


 5月15日(金)


第1の植生地の花

 「とっておきの山」とは、身を潜めひっそりと毎年ヤマシャクヤクを見に行く山の塊りである。2015年は他のヤマシャクヤクの植生地の開花状況を考えると、とっておきの山もいつもの年より少し開花が早そうなので1週間前倒しで行ってみると、ほとんどが花を終わらせていた。それでも少しは咲いたばかりのヤマシャクヤクも少しはあって出迎えてくれたので胸をなでおろす。

第3の植生地

 第1の植生地で最初の花に迎えられるものの、その数は10に満たない。第2の植生地に向かう途中に疎らにあるヤマシャクヤクは鞘をしっかり付けていて、今年の花の時期の早さを物語っている。これでは、涸れ沢を登って探索しても面白みはないだろうなと、第2の植生地に入ってみることにする。ここは雑木が適度に生えていて風通しもまあまああるところで陽射しもたっぷり入るので咲き残りはなかったので、深入りせず戻る。


第3の植生地 

 第3の植生地に入るとそこには数株の咲き残りがあった。これではモチベーションが上がらないのであらたな植生地はないかと周縁を歩く。前回歩いてみた時には見つけられなかったヤマシャクヤクを2株見つけたので、これで良しとしなければならない。この地の山塊全体ではヤマシャクヤクはほとんど絶滅したもの、あるいは見つけるのはほとんど困難と最新刊の図書で書かれているのに、例えそれが花後のものであってもこれほどの数のヤマシャクヤクに囲まれることができるだけで幸せというほかない。


第4の植生地全景

 第4の植生地に入る。ここは複雑な地形の先にあるところで、どう考えてもここまでたどり着いてヤマシャクヤクを見るというのは平地に住む一般登山者としてはあり得ないことだろうことなのに、思いっきり入り込んで偶然に見つけた場所である。数は少ないものの、それでも数十株はあるだろう。その中で咲き残りが10株ほどあった。ここは樹相も好ましく、いつも倒木に腰かけて小休止するところである。

 第4の植生地

 ヤマシャクヤクは、東西の尾根の北側によく見られるという。そしてその尾根に沿って霧が流れるのがいいというとのことだが、そのような地形、条件がぴったりと当てはまらなくても、
 @ あまりの直射日光にさらされない場所であること
 A 近くに水の流れがあるか湿気のある土壌があること
 B それにヤマシャクヤクが好む地質であること、あるいはその地質に近い場所にあること
を目安にとし、そもそもヤマシャクヤクとはどのような葉の形をしていてその葉をどのように広げているかをしっかりと把握していると、他の植物と混在していても見つけやすい。ただ、白いぼんぼりを付けているのを探すのが一番であることは言うまでもない。葉の形(姿)と言えば、今から大空に飛び立とうとする鶴が羽根を大きく広げている・・・、そんな感じだろうか。


第4の植生地 

 第4の植生地を離れ山を下りることにする。途中、第1の植生地を離脱するときに少しいつもと違った軌跡をたどって見つけた、まったく固いままの蕾を再確認することにする。どうしてこの3株の蕾は固いままなのだろうか。この山塊ではこれまで一度ベニバナヤマシャクヤクらしき蕾を見たがその開花を確認することなく、また、以後その場所でそのような蕾を見ることはなかった。 


 だが、この3株はどうもヤマシャクヤクなんかではなく、ベニバナヤマシャクヤク?そんな夢と期待と希望をもたらしてくれた蕾ののままの株をしっかりフォローしなければならないが、そのベニバナヤマシャクヤクを北海道で見るためにすべてをセットしてしまっている。なんという矛盾であろうか。


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