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その後のベニバナ・ヤマシャクヤクは? (2015)
2015/ 5/22



参考画像 (2013/ 6/14 北海道の山で)


 5月22日 (金) 


前回 2015/ 5/15の蕾

 すべてを数えたわけではないが、この『とっておきの山』のヤマシャクヤクは千に及ぶほどの数がある。しかし、すべての親株が花を散らしてしまっているのに、まったく固いままの蕾を持ったヤマシャクヤク3株を見つけたのは先週(5月15日)のことだった。


今回 2015/ 5/22の蕾

 気になって、1週間後の5月22日)にそれらの株を見に行くと、蕾はほんの少し膨らみを持たせようとしているのかどうかというぐらいの変化しか見られない。こうなると、この株の開花は6月に入ってからになるのだろう。そのことだけが確認されたので山を下りる。


 風穴(あるいは風穴の作用のある場所)で  


思わぬところで思わぬ出逢いがあった

 まったく樹相も風景も陽の射し込み具合も違う山に入った。この山にヤマシャクヤクがあろうとは思わなかった。しかし、ヤマシャクヤクの植生があってもよさそうな雰囲気のところがあったので、歩いているところから左右5〜6mまでの視界を見やりながら歩くと、それよりも先、遠くの緑の中に白いものが浮かんでいる。まさか・・・。まさに花を開かんとしているヤマシャクヤクが2株あった。

 
白無垢

 この時期に、このような光景に出逢えるということは奇跡に近い。このような花期の違いはなんだろうか。単に樹林に覆われた環境で日射が少ないというのなら『とっておきの山』の第1の植生地の5分の一はこのような環境にある。しかし、先週でほとんどが花を終わらせている。

 

凛として 

 ここは樹林帯ということもあってとてもひんやりしている。しかし、ただそれだけではないのではないか。そう、風穴の作用あるいはそれと同様の作用がヤマシャクヤに影響を及ぼしているから遅咲きのヤマシャクヤクに出逢えたのかもしれない。近くに堆積した岩が雪崩れた場所があった。

 ナキウサギは大雪山などの高所で見かける絶滅危惧種である。ところが日高の海岸沿いの街では、標高50m付近のところでも生息しているという。これほど標高の低いところでの経験はないが、標高250m程度のところにある豊似湖でナキウサギの声を聴いたことがある。永久凍土も風穴もないところでいかにして生息できるのか。それはこの地のヤマシャクヤクが岩塊斜面の近くにあって大きく時期をずらして花を咲かせることと同じように岩の塊が分厚く堆積していることに関係しているのかもしれない。


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