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自生のベニバナヤマシャクヤクが咲く山
(2016)


ベニバナヤマシャクヤクが咲く山は美しい


 2016/ 6/ 2 


あまりにも美しい

 人には誰にも触れられたくない物や自分だけのものにしておきたい場所があるはずだ。それが私にとってはこの場所に咲くベニバナヤマシャクヤクであり、某地で見つけたアツモリソウの群落である。今、このページでアツモリソウに出逢った時の驚きを述べることはしない。昨年、この地でベニバナヤマシャクヤクに出逢ったときの驚きもあまりにも衝撃的であった。


自生地のベニバナヤマシャクヤク

 もうずいぶんと年輪を重ねてしまったので、多少のことでは胸騒ぎやドキドキはしないが、このベニバナヤマシャクヤクに出逢ったときは本当にドキドキしてしまった。そんなベニバナヤマシャクヤクの様子を見に、5月中旬、この山に向かった。その時はまだ固い蕾だったので、昨年の例から開花の時期をあと何日後と判断し、この禁断の地に向かった。


強い風に吹き付けられて

 「壁に耳あり障子に目あり」、どのようなことも隠し通せるものではない。このベニバナヤマシャクヤクが咲く場所とて同じことだ。だが、いったんこの地がどこか分かってしまうと、すぐさま盗掘に遭ってしまう。そのようなことは絶対あってはならない。なので、この山に入るのはまだ人が動き出さない早朝がいい。清々しい早朝の朝日を浴びたベニバナヤマシャクヤクは、強い風に吹かれていた。


北海道のベニバナヤマシャクヤクと違って葉茎が柔らかい感じがする

 いつまでも、飽くことなくこの貴婦人との逢瀬を楽しみたいが、万が一のことがあってはいけない。かすかな音に恐れ道なき斜面を下りる。GPSを確認しながら車を置いた山すそを目指す。山道に出るとそのうちに人とも出会うようになる。「山頂はどうでした。」と聞かれるので「いい天気でよかったですよ。」と答える。本当は「いい天気でベニバナヤマシャクヤクに陽が射し、とてもよかったですよ。」と言いたかったのだった。


(参考画像)
5月中旬のベニバナヤマシャクヤク


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