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今年のベニバナヤマシャクヤクは・・・
(2017)


ベニバナヤマシャクヤクは美しい(2016/6/2)
この画像は昨年のものです。


 2017/ 5/15(月)・小雨 


昨年は葉が展開していたが・・・。

 今年のヤマシャクヤクの咲き具合はどうだろうか、そしてひっそりと佇むベニバナヤマシャクヤクは健在だろうか。前夜、車を走らせる。予報では朝のうちに太陽を見ることができると判断してのことだったが、車中泊の窓からは山が濃いガスに覆われて見えた。加えて雨衣を忘れてきてしまった。気温は低く、濡れたらすぐ戻ろうと山道に入る。




待ってておくれ!

 今年はヤマシャクヤクの開花が遅れている。ベニバナヤマシャクヤクが咲く山のいつもの場所に向かったが、ベニバナは成長に後れを見せている。いつもなら葉を展開させて蕾が見えるのだがどの個体も芽が出たばかりという趣であった。中には葉が展開しているベニバナヤマシャクヤクもあったが、そのような個体には蕾はついていない。次の画像は、昨年の同月同日のベニバナヤマシャクヤクの様子である。この株は、18日後に開花している。


【参考画像】2016年5月15日のベニバナヤマシャクヤク

 この地のベニバナヤマシャクヤクの今年の株数を確認すると、開花するまでに育ったのは4〜5株で、残りはもう少し時間がかかりそうな株が4株ほどで、幼苗も数株あった。今年の開花時期は6月10日ごろと予想する。ベニバナヤマシャクヤクの地を離れ、白い貴婦人・ヤマシャクヤクが咲く山に向かう。ヤマシャクヤクは例年より開花が遅れ、最初の場所では花弁を開いているものはなかった。ガスに覆われて光が差し込まず気温も低いことも影響していたのかもしれない。


この場所は腐植が堆積している(2017)

 これまでの(少ない)経験からいうと、ヤマシャクヤクとベニバナヤマシャクヤクは同じ場所ではなかなか見ることができない。ベニバナヤマシャクヤクとヤマシャクヤクとは共生しないような気がする。北海道の某山は広範囲にベニバナヤマシャクヤクの植生が見られる。このホームページでは公開していないが2016年5月、その山の登ってきた。ベニバナヤマシャクヤクがそこいらにいっぱいあるが、いくら探し回ってもヤマシャクヤクは見つからない。


この場所は石灰岩でザレている

  一つ目の場所を離れ、灌木帯を行く。灌木帯が疎となった空間でいつものとおりヤマシャクヤクが出迎えてくれる。山の貴婦人、華麗な貴婦人。そんな佇まいはいつも同じだ。鹿の踏み荒らしにより毀損した個体もあるが、ヤマシャクヤクは鹿の食害がないのでその植生の範囲・規模はいつも一定で安定している。


花びらが開き切った株はごくわずか

 山は相変わらずガスで覆われている。晴れていたら素晴らしい光景が広がるのに残念。今日の最後の場所に向かう。以前、ここで赤茎のシャクヤクを見たのでもしかしたらという期待があったのだが、単なる地質の違い、栄養の違いということだったのだろう。でも山に来られただけでうれしい。給与生活者から鍬を振るい耕運機を操作する日々の忙しい生活の中からこの日1日の自由時間を得られただけでめっけものだ。再雇用の期限後にこれほどまでに農園で菜園で体を使うなんてことは考えられなかった。定年後の自由な身で好き放題山に行くのが夢だったはずなのに。


涸沢にひとり咲くヤマシャクヤク

 ヤマシャクヤクの咲くところを3か所巡った。誰の足跡もないひとりだけのヤマシャクヤクの地!ひとつひとつのヤマシャクヤクの花が愛おしい。雨に濡れた貴婦人。
 

              『手に取るなやはり野に置けレンゲソウ。』

 昨年、ベニバナヤマシャクヤクを探しに関東北部の山に行った。1回行っただけで探せるような簡単な花ではなく、白い花さえも見つけられなかった。その帰途、山の中の出店でクマガイソウを1株買い求めた。販売者のアドバイスに従って杉の堆肥も使った。新しい芽が2つ出たが蕾は持たなかった。やはり野にあるものはそのまま野に置いておくのがいいようだが、住宅密集地となってしまったこの地も昔はクマガイソウが咲くところであったらしい。近くの小学校でクマガイソウを校章にし、今も学校の「花」としてクマガイソウを咲かせている。


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