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間もなくお目覚め 横岳のツクモグサ
2007/ 6/ 7



やっと蕾をもったツクモグサ 横岳

  ツクモグサは,芦別岳に登って初めて見て以来,その清楚な花の記憶は鮮烈で,この花の季節になると時間を工面して対面したいものとなっている。昨年は,6月10日にツクモグサの花の最盛期であったことから,再び八ヶ岳のツクモグサに逢いに出かけた。コースは昨年同様杣添尾根の往復としたが,今回は,キタダケソウを見に行くときの練習もあってピッケルとアイゼンを携行した。


シラビソの樹林帯

 明けやらぬ早朝の都心を抜け,通勤割引が適用されるよう中央高速で韮崎に出る。141号線を清里から野辺山の駅を過ぎ,八ヶ岳高原ロッジの看板を左折して別荘地の海ノ口自然郷が登山者用に整備してくれている駐車場に車を停める。駐車場に先客はいないが,程なくして浜松ナンバーの車で夫婦が来たので,相前後して杣添尾根を登る。


6合目を過ぎると登山道は見えなくなる

  標高が2,100mを超えると登山道には深い雪が積もっているが,雪は適度に締まっていて,アイゼンを装着する必要はない。登山道は稜線の北側下に付けられているが,2,350mほどまでは尾根をたどって行くことができる。


強風が雲を吹き飛ばし赤岳が姿を現す

 赤岳が全貌を現すと,忘れもしない2001年5月22日,アイゼンもピッケルも持たず県界尾根から赤岳展望荘へのトラバース道に入って進退窮まった情景が思い起こされる。杣添の尾根から見える今日のトラバース道にも結構な雪が取り付いている。


三叉峰はまだ遠い

  残雪の尾根も背の高いハイマツに阻まれて,間もなく本来の登山道方向へと下りなくてはならない。しかし,結構急な斜面が続いていて,滑落した場合は斜面が疎林であることからも,アイゼンを装着し,ピッケルを手にする。先を行っていた夫婦はアイゼンやスットックを準備していなかったことから,再び尾根に出るまでの間,先頭に立って道を作りながら進む。   


北沢まで続く疎林帯の傾斜(登山口方向に向かって写す)

  昨年の北斜面は踏み跡もある程度あったが,今年はそれがない。積雪も多く、その状況からするとツクモグサの咲く稜線の春はあまり進んでいないのではないかと思われた。出発からちょうど4時間かかって三叉峰に着くとすぐツクモグサのある場所に向かうが,岩場に開花したツクモグサが1株ある。しかし,それ以外の場所は,ツクモグサはあってもどうにか蕾を伸ばしているだけで,オヤマノエンドウやミヤマキンポウゲなどは一輪も見ることはできなかった。      


三叉峰から見た杣添尾根

  朝方は登山口に霧雨がかかっていて,赤岳は姿を見せてはいなかったが,稜線に日差しが降り注ぐようになって,蕾は花弁を開こうとしている。今年もツクモグサは待っていてくれたが,訪れるのが早かったようだ。    


ほら,コートをまとって寒さから身を守っているだろう! 

 まだ蕾とはいえ,今年もツクモグサに再開することができた。今日は,上空に寒気が入り込んで,午後から雷雨との天気予報である。これから1,200mほど下りなくてはならないので,稜線を離れて再び樹林帯に入る。昨年は咲いていたイチヨウランは,同じ標高では咲いておらず,さらに標高を下げるとやっと花を見つけることができた。


イチヨウラン


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