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しらびそ小屋から高原の白菜畑へ
FURENが行く八ヶ岳

2009/ 6/10 横岳の白菜畑


 7月 4日(土曜日) 

 八ヶ岳の中腹まで登り、高速道路が混まないうちに戻るため、午前3時過ぎに家を出る。夜が白み始めると、雨の中央高速の周囲の山々が優麗な姿を現す。約3時間ノンストップで走り稲子湯から小雨の登山道を歩く。タチカメバソウ、コケイラン、ササギバランなどのほか、まだ見たことがなかったジンヨウイチヤクソウ、ギンリョウソウが登山道脇で出迎えてくれる。今日は、雨がいかほど降ろうとも高原の白菜畑まで行って、ピンクの花を見るつもりだ。

 濃霧の中、しらびそ小屋を過ぎ樹林帯を進むと急に視界が開け、ピンクの花が目に飛び込んできて圧倒される。花の時期を過ぎていてもよい、少しでも残ってくれているだろうと期待していたが、それに違わず今が盛りと咲いている。よく陽が当たるところのものは下段が種子を持っているが、樹によって南西の光が遮られるところなどは今がちょうど見ごろである。
 この花と言えば、ここ八ヶ岳と同じような南日高の樹林帯に大群落を作っているのを見たことがある。そこは標高が低いことから6月初旬には開花している。それにしても、南日高の群落に匹敵するスケールであり、素晴らしいの一言だ。

 飽きることなく花を眺め、カメラに収める。霧が空から覆うように降りてくる。すっかり体が冷え切ってしまった。別れは惜しいが、しらびそ小屋に下りてストーブの火とコーヒーで温まり一息つく。窓の外ではリスが食事をしている。野鳥もえさをついばむのに忙しい。すっかりすすにまみれた、落ち着いた雰囲気の山小屋に別れを告げる。明日の仕事が待っているから・・・・。


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