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美女ピアニストと登山愛好家の三上寛さん


 誘われて、浜離宮朝日ホールで開催されたオーストリア大使館後援、ウィーン・フィルメンバーによる「ストリング・クインテット・ウィーン&指宿 姿(しな)」のコンサートを聴いた。曲目はシュトラウスの「ウィーン気質」「美しき青きドナウ」、クライスラーの「愛の喜び」など。アンコールで3曲も演奏するなど、聴衆を満足させるものであった。ピアノ演奏は指宿姿さんで、その表面的な美しさとは違った情感のこもった演奏スタイルであり、それがコンサート会場の拍手が鳴り止まない理由の一つであったろうと思われる。

 このコンサートには、アーティストであり映画等への出演も多い三上寛さんが奥様とお出でになっていた。指宿さんのプロフィールを見ると、三上寛さんとの交流があることが書かれており、幅広い演奏活動を行っていらっしゃるようだ。

 コンサート終了後、三上寛さんご夫婦や関係者の方々との飲み会に参加する機会を得て、築地の居酒屋で飲むこととなった。三上さんと言えば”怨歌”と言われるような強烈な演奏活動からの個性をイメージしていたが、そのような先入観とはまったく違って、山登りを愛好することを知り、話が(勝手に)盛り上がった。いつでも山に登りたいとのことで、純粋に山を歩くことがお好きのようだった。また、ウォーキングをされて体力を作っているとのことで、登山がますます盛んになられるものと感じられた。

 2007年8月号の「山と渓谷」は、「母なる東北大山脈」として東北の山々を特集しているが、その68ページに三上寛さんのエッセイが載っている。津軽地方に生まれた三上寛さんの山は津軽富士と呼ばれる「岩木山」ではなく、いつも両手を広げ迎えてくれた、低い柏の木で覆われている古さとの山の「靄山(もややま)」である。そして、人生において羽ばたくために越えなければならなかった靄山でもあったと書かれている。
  
 いつしか靄山に登ってみたいと思うようになった。(2007/11/10)