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4度目の挑戦にして登る幌尻岳
ヌカビラ岳のフラワーロードを経て念願の幌尻岳へ
(2日目)
(2008・6・19〜20)
■ 2日目 6月20日
何個もの石で固定した張り綱だけが最後まで残った
■ 撤収
午前2時半に目が覚めた。まだ風や雨は残ってはいるものの、小鳥のさえずりも聞こえ始め、天候が回復してくる気配がする。断続的に降る雨も雨脚は弱く、この分だと沢の増水もないだろう。ただ先のことは分からないので早出し、今のうちに降りてしまうことにする。テントには多少の水が入っていて、あれもこれも湿っぽい。朝食はカット。ザックに物を収めたら、テントの中で登山靴を履き、風の収まり具合を見つつテントの片付けに入る。大きな石で張り綱を張っていたが、1か所を除いて石は動いてしまい、グランドシート用のペグをはじめ抜けている。白馬岳では今回よりは弱い風でポールが折れたが、今回はフライシートが石で擦れて破れたほかの被害はなかった。強風下で張り綱が外れたことでかえってポールへのテンションが拡散して折損を免れたものと考えられる。
尾根取り付きの滝
■ 雨の中のカムイコザクラ
昨晩は戸蔦別川から風が上がってきていたが、今朝は、風は新冠側から吹き付けている。ヌカビラ岳への稜線に吹き上げる風は相変わらず強いが、この稜線を過ぎればカムイコザクラの咲く岩場から先は木々で風が避けられる。思ったとおり、なんばナンバーの人が設営していたテント場はまったく風の当たらない理想的なテント場だ。ヌカビラ岳でまた風が吹き付けるが、岩場に下りるともう無風に近い。カムイコザクラは花弁を閉じ、風雨に耐えていたようだ。トッタの泉まで降りてやっと一息つく。沢の流れの音が大きいが、たぶん滝の流れだろう。増水していないことを願って雪渓に出ると、昨日と変わらない水量で安心する。二ノ沢出合でヒダカハナシノブの花見を楽しんで取水ゲートに出る。
ヒダカナナシノブ
■ 満員電車
ゲートから林道を千栄に下りると開拓で入植した人が山からおろしたと言う巨大な岩「チロロの大岩」が牧草地の脇に置かれている。ダンプカー3台分ぐらいの大きさだ。ここまできたときにはもう運転が困難なほどの眠気に襲われ、しばらく巨岩の脇で睡眠を取る。
洞爺湖サミットで検問や警備の厳しい新千歳空港を最終便で離れ羽田空港に着くと、金曜日のモノレールもJRも立錐の余地の満員の状態だ。ザックを背に体をねじ込んで帰宅の途に着くが、14時間の尾根歩きより、通勤ラッシュにもまれ我慢しているときのほうがよほど辛い。一挙に現実に戻った。
1日目 | 2日目 | |||
地点 | 着 | 発 | 着 | 発 |
取水施設 | − | 03:45 | 08:20 | − |
二ノ沢出合 | 04:40 | 04:40 | 07:40 | 07:40 |
滝下 | 05:25 | 05:35 | 06:50 | 06:50 |
トッタの泉 | − | − | 06:20 | 06:25 |
岩場 | 07:50 | 08:15 | − | − |
北戸蔦別岳 | 09:05 | 09:35 | − | 04:45 |
1881m | 10:00 | 10:15 | − | |
戸蔦別岳 | 10:45 | 11:00 | ||
七ッ沼北下り口 | 11:15 | 11:15 | ||
肩 | 12:00 | 12:25 | ||
幌尻岳 | 13:30 | 14:15 | ||
七ッ沼北下り口 | 15:50 | 15:50 | ||
戸蔦別岳 | 16:25 | 16:35 | ||
1881m | 17:00 | 17:00 | ||
北戸蔦別岳 | − | 17:50 |
休憩を取らない場合の1時間毎の到達点 | |
取水施設基点の実歩行時間 | |
1時間目 | 二ノ沢930m |
2時間目 | 1300m |
3時間目 | 1620m |
4時間目 | 北戸蔦別岳手前のコブ |
5時間目 | 戸蔦別岳手前1870m |
6時間目 | 肩手前1800m |
7時間目 | 幌尻岳頂上 |