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キタダケソウが咲く北岳へ 
(2016/ 7/1~2)


北岳南斜面で キタダケソウ


 2016年 7月 1日 月曜日 (1日目) 
この日の行程 : 広河原~御池小屋~草スベリ~肩ノ小屋~北岳山荘


御池小屋への途次 北岳

 今年の北岳は雪が少なかったということだったので花はパッとしないだろうが、梅雨の合間の晴れが予想されたことから深夜車を走らせる。夜叉神峠登山口の駐車場に車を停めたのは翌日の午前2時を回っていた。いつもならビールを飲んでから寝るのだが、車中での時間が短いので牛乳を一気飲み。即座に爆睡してしまう。


ミヤマハナシノブ

 バスは夜叉神峠登山口に06:07に着く。うれしくて04:30に目が覚めてしまう。到着したバスはようやく立つところを確保するほどの超満員。バス料金に支払に5,000円札を出すと、お釣りはないという。何というバス会社だ。女性のお客さんが両替してくれる。広河原へ向かうタクシーは、平日だというのに満員の登山者を載せて何台も南アルプススーパー林道に吸い込まれて行った。


小太郎尾根分岐手前 ハクサンイチゲ

 広河原インフォメーションセンターに着くとすぐさま吊橋に向かう。北岳と大樺沢がすっきりと見える。二股まで行って小太郎尾根分岐まで出ようと思ったが、草スベリを登らなくてはどうするのだと気合を入れて白根御池小屋に向かう。御池小屋では、まだ10時前だというのにテント場の申し込みをしている人が何人もいる。最近のテントブームで早く着いて場所を確保する人が多いとは聞いていたが、これほどとは。小屋の日除けのあるベンチには男女が4つのベンチと2つのテーブルを独占し、だらしなく寝そべっている。


肩の小屋から 北岳

 花の草スベリを登る。ミヤマハナシノブが美しく咲いている。しかし、食圧で背丈は低く、またポツンポツンとしかない。唯一、白根御池小屋に至る途中のトラバース道に落ちる沢筋に立派なミヤマハナシノブが咲いていた。ハナシノブと言えば北戸蔦別岳に行く途中の林道や沢筋に咲いているヒダカハナシノブだけはすごいの一言に尽きる。どこにこれほどのハナシノブが咲いているところがあるだろうか。


北岳 山頂

 小太郎尾根分岐から肩ノ小屋に至る稜線もミヤマシオガマ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲなどの花々が咲き競うところであるが、今年は見栄えがしない。やはり降るときにきちんと雪が降ってくれないから水分が足りないのだろう。肩ノ小屋に着いたものの、寝不足と相まって疲れがピークを迎えている。ベンチに座ってうとうとしているうちに本当に寝込んでしまった。気がつけば1時間ほど寝ていたことになる。

 


北岳山荘を俯瞰する

 今日は快晴の天気、明日は曇り空の予報である。北岳の頂上に1分もいないで先に進む。やはり、このいい天気なのだから北岳南東斜面に行かなくてどうする。北岳南東斜面の花々はやはり水分不足のような感じの花ばかりだった。背丈が伸びていない。それでも、遅れ咲きのキタダケソウが見られたので今回の登山の目的の一つは達することができた。


シナノキンバイ

 南東斜面を先行するご婦人2人組に追いつく。ヒダカソウを見にアポイ岳に何度も登ったという人だった。次なる目標はペテガリ岳とのこと。このようなところで日高の山の話を聞くとは、うれしいことである。そのご婦人にミドリハクサンイチゲを教えていただいた。南東斜面には何度も来ているのにこのような色の花があったとは・・・。


北岳南東斜面 ミドリハクサンイチゲ

 もういい歳なんだから、テント泊装備で登ってきてまともに年若い人たちより先に着くことができるとは夢にも思わない。テント場には数張りのテントが張られている。途中で寝てしまったが、それを差し引くといいタイムではなかろうか。そんなことを思いながらテント場を稜線からすぐ下の東側、風が吹けば飛ばされてしまうようなところにテントを張る。何より見晴らしがいい。


北岳山荘テント場で

 テントを設営中、日本酒とビールを雪渓に埋めて置いた。そのテント、ペグを忘れてきてしまった。大変なことだ。気を取り直してビールを一気飲みし、アルコール度数の高い生原酒の日本酒を飲み干すとすっかり酔ってしまった。薄っぺらいシュラフに潜り込んで寝ると、意外と暖かい。すべてのことを忘れて寝てしまう。風でテントが揺さぶられるまでは。


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