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世界遺産 中国・黄山の山登り(3日目)
2000/ 8/17〜22



切り立った断崖に根を張る松

黄山の登山2日目 最高峰の蓮花峰から麓の小黄楼へ
 
今日は、途中の景色を楽しみながら、6時間かけて下山する予定となっている。12時に麓の餐庁で一行と待ち合わせすることとして、引き続き単独行を続ける。排雲楼賓館の朝食バイキング(20元)で腹ごしらえし、途中公共トイレ(0.5元)で準備を済ませ出発するが、西海賓館で小雨となり、光明頂と蓮花峰の中間で土砂降りの雨となった。

 ゴアテックスの登山靴、雨具を着用と身支度はしっかりしており、叩きつける雨の中、蓮花峰への取り付けへと向かう。いくらゴアテックスの雨具とはいっても、湿度110%の気象の中、急な斜面を登っていては、雨具の中の衣類は上下ともびじょびじょ。しかし、体温は保ってくれている。

 蓮花峰の頂からはなにも見えない。それでも狭い頂上にはたくさんの人がいる。しばらく晴れるのを待つが、かなわぬ望みのようなので主道に戻り下山する。本来すべて自力で歩く予定であったが、雨、雨、雨。集合時間も迫ってきたし、並んでいる人も少なかったので、玉屏楼からケーブルカー(51元)に乗る。眼下は、岩肌のわずかな隙間に根を食い込ませている松がわずかに見えるだけの岩盤地帯。雨が岩肌を滑り落ちるように伝わって流れている。

 慈光閣に到着する。集合場所の「小黄楼」には、半数以上の人が到着していた。上海から来た夫婦から一緒に注文して食事をしようと言われ、テーブルを同じくする。このほか、丹東から来た母娘、東北の姉妹、上海の父子も同じテーブルに着いて、1時間ほどゆっくりとした昼食の時間を過ごす。

 黄山特産の木耳ならぬ石耳スープや椎茸、筍その他たくさんのおかず(割り勘で30元)でビール(10元×2)を飲みながら、いろんなことに話が及ぶ。東北人は役人や決まりごとに服しやすいが、南方人は権力に従わないこと明確で、何かあれば役人を訴えるということは日常茶飯事とのこと。また、権力を振りかざす役人のことを「29」とか「黒毛」と呼んで蔑んでいた。 

 そういえば「上海書城」には民間人が訴訟を提起するためのノウハウ書や、損害賠償請求訴訟、国家賠償請求訴訟に関する本が山と売られているほか、警察行政の内容を詳細に公表する本が警察により著作・出版されていたりと、権力絶対(大)の10年前とは隔日の感がある。ただし、この警察行政の本は内部用であり一般庶民には売らない(売ることができない)本だが、とある方法で購入できた。

 大学生の3人組が最後に到着して、「貧乏学生は、皆さんとはテーブルを共にはできません。」と言って、別なテーブルに着いて大盛りのチャーハンを頼み、明るく仲良く食べている。


雨に煙る蓮花峰

 バスは 、黄山の中腹のつづら折りの道を下りていく。女子学生が「再見!黄山」「再見!黄山」と窓の外に向かって声を上げている。ケーブルカーを使わなかった若者は、足を引きずるほどの筋肉痛に襲われている。雨の中の山歩きは辛かったはずである。しっかりした雨衣などなく、薄いビニール合羽に身を包むも、皆ずぶ濡れであった。苦しかった山歩き、「再見!」と大きな声を上げたくなる気持ちも十分に分かる。

 山を下りたら、ここからはお決まりのみやげ屋など店回り。漢方薬の原材料屋でしばらく逗留し、中医に診てもらう者が多い。売り子のおねえさんは一生懸命説明し薦めてくれるが、早々に退散して門前の売店で牛肉干(2元)と梨2個(2.5元)を買って、通りに座って食べながら皆の帰りを待つ。

 次にお茶屋さん。部屋に案内され、各種のお茶の試飲となる。一叶茶(80元)を買って2日間の黄山ツアーを終え、ツアー仲間の中国人と別れホテルに戻ると夕方になっていた。スーパーでつまみや飲料を仕入れ(22.5元)、三輪車(2元)で夕食によい場所を探すが、一人で入店するに適当な店は見当たらず、結局夜市で2菜1湯+ビールの夕食(27元)となる。

 中国の安い食堂では舞台裏を見てはいけない。バケツが2つ。洗剤の入っているバケツで食器をさっと洗って、次のバケツの水に食器を一と通しするだけで次の客に出す食器洗いが終わる。箸もコップに入れられ、使いまわしだ、ABCすべての肝炎さん、いらっしゃい。(路上や屋台で物を食べてはいけないと中国の人からは何度も注意はされてはいましたが。)

 物乞いのおばあさんがテーブルに寄ってきた。どうしたものかと思案していると、店主が来て追っ払う。私が注文した食事は食べきれない。(ごめんなさい。)向かいの果物売りの屋台に行き、林檎2個(2.5元)、桃1個(2元)を仕入れて三輪車(4元)でホテル(120元)に戻る。


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