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宗屋敷尾根〜酉谷山避難小屋〜矢岳
2014/ 4/25〜26


酉谷山の代表花 ミツバオウレン


 4月25日(金) 1日目  

 何度登ってもいい山、酉谷山。今回は酉谷山を目指して宗屋敷尾根から登る。下りは矢岳として計画する。歩く人の少ないマイナー中のマイナーなコースであるが、取り立てて難しいところはない。とは言っても、酉谷山周辺における遭難事故の多発傾向からは、まず登りで道を覚えてから下るというステップを踏むことを推奨する。


イカリソウ

 武州日野駅から林道を一時間ほど歩いて宗屋敷尾根に取り付くことになるが、この界隈では珍しいカタクリの自生地(すでに花期は過ぎている)に何かほかの花は咲き残っていないか確認のため駅裏を徘徊する。するとイカリソウが咲いたばかりで、多くの花を見せている。


スミレ

 駅裏の花園を通り過ぎて林道をとぼとぼと歩く。とぼとぼとは言っても、目は周囲に野の花は咲いていないかと疎かにすることはない。スミレにニリンソウにサクラソウに・・・などと、奥多摩や秩父の登山道では見ることが困難な花があちこちで咲いている。いつもの場所のシロバナノエンレイソウは今年は見ることが出来なかったのは残念であった。


ニリンソウ

 人には言えないが、宗屋敷尾根〜酉谷山〜矢岳の周回ルートで、シュンランに会うことができる所がある。とは言ってもなにも秘密の花園に咲くものではなく、通過する道すがらに咲いている。ただ、このシュンランをシュンランだと認識できる人にのみ幸運が訪れる。それほど周り(のイネ科植物)に同化している。今時、人の往来があるところで自生のシュンランを見ることができるのは幸運というしかない。


シュンラン

 記録にアップできないほどの路傍の花を見ながら、人の通うことの稀な宗屋敷尾根をどんどんと登って行く。宗屋敷尾根はしばらくは何の希望もわかない植林帯となっている。植林帯イコール無味乾燥な山林である。そんな山林もときに二次林,三次林の雑木林が残っていて、カタクリがところどころに咲いている。そのカタクリは群生とはとても言えない代物ではあるが、こんな貧相な樹相の中にあって異彩を誇っている。


カタクリ

 疎らながらもところどころに木々のこぼれ日を求めて生命をつないだカタクリが姿を見せる。この尾根のカタクリはどれも北側斜面に咲いている。群落でなければ見る価値はないと思う人には興味がわかないほど疎らだ。それが営々とこの地の咲き残っている秘策と言えるだろう。


イワウチワ

 それ(カタクリ]以上に健気さを見せるのはイワウチワである。秩父の道の駅で大量のイワウチワを安価で売っているときがあった。その時はアズマイチゲも投げ売りの安値であった。興味は、こんな素晴らしい花々が秩父のどこの山に咲いているのだろうというところにあった。その花は、宗屋敷尾根にもあったということだ。今は、その花を盗掘しようと登っても割に合わないほど数は極めて少ない。


アカヤシオツツジ

 そのような地表に咲く花に別れを告げ、稜線の岩稜帯へと進む。アカヤシオツツジやアカヤシオツツジが姿を見せてくる。秩父や奥多摩界隈では比較的早くアカヤシオツツジを見ることができる穴場である。ただ何せマイナールートであるがゆえ、興味本位で安易に入山するのはお薦めしない。ましてや荷造り紐をベタベタ括り付けて風景を損ねるような山登りは、この山域には全く似合わない。

 熊倉山から続く尾根に出て、遭難騒ぎが多発する小黒を経て酉谷山へ登り、ミツバオウレンの群落を堪能する。ほどなくして酉谷山避難小屋に到着する。今宵は小屋を独占。



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復路   
 着  地点 発  着  地点  発 
   武州中川駅 0850    酉谷山避難小屋      0615 
1400  酉谷山避難小屋   1300  武州日野駅  
 所要時間 0510 所要時間  0645