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リベンジ 夜叉神峠から南御室小屋往復
(2010/ 3/20〜21)

1日目

2010/ 1/ 7の敗退記はこちら


 3月20日(土) 強風


農鳥岳〜間ノ岳〜北岳(左から)

 2010年1月7日、南御室小屋を目指して夜叉神峠を出発したが、トレースのない雪みちを進むことはままならず杖立峠手前で撤退した。その後、降雪で南アルプス林道が通行止となったが、3月18日、それが解除となったことから再び南御室小屋を目指すこととした。低気圧が北上中で強風が吹き付け、夜間は降雨と大荒れの予報だが、ほとんど樹林帯の歩きなので夜の雨だけ我慢すればいい。標高2、500mのテント場は雪となるだろうとの願いを込め、音を上げないことを誓って出発・・・。

 夜叉神峠登山口には10台ほど車が停められている。関西の山岳会が10人ほどのパーティと中国地方の山岳会4人が鳳凰三山を、男女2人が北岳を目指して登っていく。そして最後に一人、重いザックを背負って夜叉神峠に向かう。なかなかエンジンがかからず1時間15分もかかってしまった。夜叉神峠で男女2人に追い着く。「北岳はこっち(西口登山道)でいいんでしょうか。」と尋ねてくる。


苺平への登り

 杖立峠(の道標のある場所)を目指して進む。登山道は凍っているがアイゼンを使うまでもない。新調したザンバランの登山靴「ローツェGT」の履き心地がいい。青年が下山してくる。「前回は林道が閉鎖されていたので芦安から歩いたのですが、杖立峠で力尽きました。トレースはなかったのですが、今回は南御室小屋まで行ってきました。」と意気軒昂である。快適に飛ばして1時間45分で杖立峠に着く。

 杖立峠からいったん下って苺平を目指すと徐々に傾斜が増すとともに、積雪も多くなる。風は強いが日差しがあり気温が高くなる。前者の足跡をはずすとズボッと股下まで潜る。木々が「ギーギー」「ゴーゴー」「ボギボギッ」と音を立てて揺れている。北岳、間ノ岳、農鳥岳を越えてくる強風がゴーゴーとシラビソの木々の上を通り過ぎていく。


南御室小屋(テント場は左手奥)

 息を整えながら我慢して歩く。苺平まで2時間30分もかかってしまった。道は先行者によってよく踏まれているが、結構厳しい道のりだった。辻山から北岳の勇姿を見る選択肢もあるにはあるが、これ以上の負担を心臓にかけるわけにはいかない。

 辻山を巻く樹林帯の傾斜地につけられた登山道は、日が差さず深い雪に覆われている。倒木によって樹林が開け国道20号方面が見えるところで携帯(FOMA)のアンテナが立つ。登山道を「く」の字に曲がって下っていくとしばらくして視界が開け、南御室小屋に出る。


南御室小屋テント場

 冬季小屋は山岳会の4人が占有したようだ。単独行者が小屋の傍にツェルトを張っている。関西の山岳会は雪面を踏み均し大きなテントを2基設営した。今夜は強風が吹き付けるだろう。木が倒れてきても影響を受けないぎりぎりのところにテントを張る。これである程度風を避けることができるだろう。

 吹き付ける風の止み間にどうにかテントを張る。ビールを飲んでワインを飲んで・・・、気付いたら寒さに震えて横たわっていた。湯たんぽをシュラフに入れて寝る。風とともに雨がテントを叩きつける。テントはブルブル震えているが、シュラフの中は極楽だ。

 ※ 南御室小屋では、冬季小屋、冬季用トイレが使えます。水場は雪の下で水は採れません。


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