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赤岳 (2014)
2014/ 3/ 28〜29
Team Hidaka Vol.


赤岳


 3月 29日 (土) 

 高気圧が通過が通過しつつある八ヶ岳界隈は、稜線の向こうに雲がかかり、ときおり強い風が吹き付ける。しかし、時間とともに陽が射してくる。冬の名残りの山としては願ってもない条件・・・?テントを出て身支度を整える。気温は低過ぎず(0℃)アイゼンがサクサクと効く。


地蔵尾根から阿弥陀岳

 行者小屋脇を通って地蔵尾根に取り付く。初めてのルートだが、昨日、中山展望台から単独者が登るのを子細に見ていたことから、まるでこれまでに登ったことがある場所のような感覚で順調に登って行くことができる。樹林帯を抜けて雪の斜面、岩交じりの斜面を登り両側が切れた尾根を過ぎると、一息つく。


赤岳天望荘から赤岳

 黒百合ヒュッテから中山峠までは既に今日のトレースがすっかり出来上がっている。中山峠から中山方向へは単独氏のトレースが樹林の中に残っているが、最初のうちは稜線を歩いていない。一度稜線に出てみると雪が深く稲子岳側が急斜面となっているので、氏のトレースに従うために稜線を離れる。その氏のトレースが稜線に向かったところを辿るとニュウと中山を分ける分岐点に近い尾根であった。


赤岳天望荘の先に横岳

 一部岩が露出した尾根を赤岳天望荘へと向かい、風を避けて小屋の陰で休憩しエネルギーを補給する。ほどなくして頂上へ向け出発。急な斜面を黙々と登っていると頂上方向からスタイリッシュな単独の男性が下りてくる。この方がyama-ariさんであることを知る。


赤岳を登る

 yama-ariさんが赤岳頂上からの下りでカメラを取り出していたので、ネットをチェックするとチームが登攀中の勇姿があった(ので、了解を得て画像を使わせていただいた。)。なかなかの光景である。


赤岳頂上


怖っ!!! 

 雪登るにつれ天候は良くなり、赤岳の頂上からは最高の展望が得られた。これまで登ったあの山この山を恣に見る。しかし、その山々を見て2014年の夏山をどこに使用可などと考える余裕はない。文三郎尾根を下らなければならない。2008年の春の残雪期に権現岳からキレット(テント泊)を経て赤岳に登ったことがあった。岩場を辿ってきたその時でも怖かった記憶があるところを経て文三郎尾根に下りる。


文三郎尾根を下りる

 山を歩いていて足がすくむというようなことはほとんど経験したことがなかったが、クラスト気味の急斜面で次の一歩を出すのにちょっと躊躇するところがあった。なにせ一歩間違えばこの世とおさらばの場所である。このときは、重量のあるピッケルが本当に欲しかった。


小同心を見る

 急斜面を徐々に下りながらトラバース気味に進む。阿弥陀岳への分岐を視野に入れられるころ、ようやく緊張感から解放された。これから赤岳に登ろうという人が大勢向かってくる。疎林を潜り抜けテント場に無事戻る。一気呵成にテントを撤収し、あとは南沢を戻るだけ。


行者小屋

 下山後の楽しみは、原村の天然温泉「もみの湯」。昼の早いうちに下りてしまったので、入浴者もまばら、というより他に一人いるだけ。のんびりと手足を伸ばし寛ぐ。


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