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物好きが登る登山道のない北の山 幾春別岳 (2013)
(2013/ 6/16)


 6月16日(日) (幾春別岳を目指す〜行動編その1)


(1) 2013/06/16 07

 桂沢湖での車中泊から目覚め、夕張国道を芦別湖へと向かう。芦別湖から入山が規制されている崕山の年に1回のモニター登山がおこなわれる登山口へと通じる惣芦別林道を走り、右手にある崕山の案内板から奥芦別林道に入るが、数メートル先に林道ゲートが鎮座している。今日は林道ゲートは開いている。金属製の錠前は鍵式であった。路盤は白色の砂利が敷き詰められていて途中で右にカーブしているので下りていくと坂を下っている。路面を沢水が覆い前輪駆動車では登り返せないギリギリのところまで行き、徒歩で確かめると終点が土場となっていた。気を取り直して元に復し茶色の砂利の道に入り進む。すると間もなく、鈴沢付近、4271林道が進行方向右手に延びるところで通行止めとなっている。(北緯43°15′08.73″東経142°06′31.34″)乗用車では通過できない状況だった。「画像(1)=帰路に写す。四駆が道を付けてあった。」


(2) 2013/06/16 0645

 鈴沢付近の林道分岐スペースに車を停め、おびただしいヌカカと蚊の猛攻撃を受けながら出発準備をする。車外に出るときには、モスキートネット着用必須、ハッカ油を着衣にスプレーする。顔と腹側に攻撃はなかったが、丸めた背中に20匹ぐらい集ったのだろう。Tシャツ2枚重ね着を難なく通過させる蚊の攻撃は恐ろしい。風呂に入ったとき、ダニに食われたかと思われるような赤い斑点が無数にあった。この駐車地点から折り畳みの自転車で進む。多くは登り坂なので押して歩く。

 大木が道を塞いでいたところがあったが、そのようなことはこの林道では些細なことであった。画像(2)の地点は比較的最近の土砂崩れと思われる。人の歩かれた形跡はなく、その代り鹿と大きなヒグマの足跡があった。これまで何度もヒグマに遭ったし、その足跡を見たことがあるが、この土砂の上を歩いたヒグマの足跡はとんでもなく大きかった。そのほか、普通のサイズのヒグマの足跡が2つほど。なお、林道上の熊の糞は新旧夥しいことこの上ない。左股沢コースが廃道になったのもヒグマの出没と仄聞しているが、なるほどと思わせる光景である。


(3) あと数キロという地点 2013/06/16 0655

 あと数キロという地点で、決定的な林道の大崩壊か所に出合った。完璧な大崩壊で沢の上流からの鉄砲水のなせる仕業のようだった。自転車はここに置かなければならない。画像(3)の前方に見える崩壊林道の木が横になった先の斜面下は30cmほどの幅があって見た目には容易に通過できそうだが、鹿が足を取られてズルっといっているところで柔らかい。高い巻いてここを通過する。ヒグマは沢上部に向かって歩いて対岸に渡って沢上部に登っている。


(3) レフレップ林道始点、礼振橋 2013/06/16 0755

 レフレップ林道が奥芦別林道から派生し、礼振橋脇が開けた駐車スペースとなっている。そしてここが幾春別岳への入山口であるとともに、礼振峰へと続く道の基点でもある。「一人歩きの北海道紀行」のSakagさんの記録を参照すると、沢足袋は必要なく、滝は存在しても小さく、泥壁はなんとかやり過ごせそうだったので、登山靴にスパッツを着けて登り始める。熊鈴はないので始めのうちはホイッスルを鳴らしていたが、面倒なので途中で止めてしまった。ヒグマがフキなどを食したと思われる新しい痕跡が2か所ほどあった。


(4) 入渓地点から A途中の様子 2013/06/16 0755

 平和な沢を渡り歩きながら進む。直進すると沢が流木で遮られている。GPSを確認すると屈折点である。(いろいろと論議のあるGPSであるが、なんと使い勝手がいいのだろう。机上登山では得られない実感である。今回は新しく手に入れたGarmin etrex30の出番である。)屈折してからも同じような渓相で、陽も差し込み心地よい。


(5) @前方、流木が沢を塞いでいる Aこの場所は直角に右に入る 2013/06/16 0814

 ここからの沢は両側の斜面が迫っていて融雪期は怖そうなところだが、両斜面に残っている雪はなく、沢筋にエゾノリュウキンカが花を咲かせ、ミツバツツジはシンクの花を咲かせるなど、幸せな光景を見せてくれている。屈折してからは一度、滑りやすい岩が滝を作っているところがあって、ロープも持参していないし下りでは気を付けなければというところがあったほかは、淡々と歩けばいいだけであった。とは言ってもデブリの通過にはいつも注意しなければならなかった。 


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