エサオマントッタベツ岳〜カムイエクウチカウシ山縦走
(2010/ 7/30〜8/ 4)
[1732mのテン場〜カムイエクウチカウシ山〜ピラミッド峰〜八ノ沢カール]
ここは天国 1732mのテント場
■ 8月 3日 (5日目) ■

1903m分岐への登りで見るカムイエクウチカウシ山
一度も目覚めることなく、1732mでの朝を迎えた。もう5時になっている。カール全体に太陽が注ぎ、谷底まで光り輝いている。ここはまさに天上の楽園である。ガケノ沢での停滞、札内JPでの強風と大雨の中での2日間の缶詰状態を耐えた後の楽園での睡眠は、疲弊しきった体にこの上ない活力を与えてくれた。

1903m分岐から振り返ってポコを見る
起きたときには10度しかなかった気温が、太陽に照らされることによってどんどん上昇していく。あまりにも心地よ過ぎるし、離れがたい。もう6時になった、もう7時になった。離れがたい気持ちに抵抗できず、どんどんと時間が経っていく。いくら今日の行程がピラミッド峰往復後八ノ沢カールに下りるだけとは言っても、これではいけないと撤収を開始し、午前8時になってようやく1732mのテント場を離れる。何度も振り返りながら・・・・・。

カムイエクウチカウシ山への登り斜面でピラミッド峰を背にしたヨツバシオガマ
朝一番の1903m分岐への苦しい登りをこなし、草原上の斜面を1730mのテント場へと向かう。そして登りにかかってハイマツを漕ぎながらピラミッド峰や1700mの下降点を見やると、八ノ沢カールに10人ほどの人影がある。しばらく動かない様子が見て取れたが、その理由は、カールから1700mへの登山道にあった。ヒグマが登山道周辺で食餌中なのであった。

3度目のカムイエクウチカウシ山頂上

カムエクの頂上からピラミッド峰
斜面の登る位置が変わってカールも1700mもいったん見えなくなったが、その後、一行が1700m上部に取り付いたのが見えた。ところで、このツアー登山と思われる一行は、札内川をなんなく渡渉してきたのだろうか。おそれをなして下山日程を変えたものとして大いに興味のあるところであった。


カムイビランジ
1年ぶりのカムイエクウチカウシ山からの眺望を思う存分堪能した。次なる山はピラミッド峰である。花咲くプロムナードを歩き、そしてナイフリッジの気の抜けない岩稜帯を降りていくと、前方から先ほどの一行が登ってくる。女性主体の一行で年齢層も比較的高いようだが、カムイエクウチカウシ山を登ろうとする意欲、エネルギーに脱帽する。ガイド氏に札内川の状況を聞くと、「2日に札内川に入ったが中ノ沢まで進むことができず、七ノ沢と中ノ沢の中間で幕営し、今日3日、八ノ沢出合から登ってきた。」とのことであった。
1700m分岐からそのままピラミッド峰に向かう。すぐハイマツ帯となるが、要所要所が過不足なく丁寧に整理されていて歩きやすい。日高を愛するがゆえに、このような無償の行いに対して何かと言えば目くじらを立てる人もいないでもないが、現実には大変ありがたいことである。北東カールへの下降分岐点から札内JP、札内JPから1751mまでも同様に整理されているが、所詮個人の力は及ばない。すぐ力尽きているようだった。

ピラミッド峰からさらに1807mとの鞍部に進み、確かめたいことがあったが、これまでの稜線での観察で結果は予測が付いたので、八ノ沢カールへと向かう。1700mの分岐点からカールを俯瞰し、ヒグマがいないことを確認する。念のためにホイッスルを数回吹鳴する。


1807mの尾根からカムイエクウチカウシ山を円を描くようにヘリコプターが周回している。多分、本朝の幌尻岳での遭難事故の救出作業後、その他の山の入山者の確認を行っているものと思われる。自分の登山ルートと日程変更は帯広警察署に連絡済である。またヘリコプターが周回してきた。合図ととられる挙動をしないように、黙々とカール斜面をテント場に向かって歩く。そのうちヘリコプターは去って行った。
幌尻岳遭難事故関連記事:平成22年8月6月付け北海道新聞
(5日目の行程) 1732mテン場08:00〜09:00 1903m分岐 09:15〜11:00カムイエクウチカウシ山11:50〜12:35 1700m〜13:00ピラミッド峰13:55〜15:00八ノ沢カール