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冬支度の北岳 肩ノ小屋テント泊 
2009/10/19〜20


 10月20日(火)


右俣コースからの八本歯ノコル

 今朝の富士山はどうだろうかとテントの換気口から外をのぞくと、一面ガスに覆われていて星も見えない。いずれにしても出発の支度はしておかなければならないので、まだ5時前だがシュラフから抜け出す。テントの中は1.9℃とまあまあ温かい。

 お湯を沸かしてコーヒーを飲み外に出ると、まだ5時を少し過ぎたばかりだというのにテント組の一人はもういない。テント内であらかたパッキングを済ませ、撤収する。小屋に出ると稜線には強風が吹き付けている。視界のほとんどない中を、小太郎尾根分岐へと向かう。ウールの長袖Tシャツ、フリースのインナー、ゴアのアウターとイアーバンド、ゴアの防寒手袋で、この寒さと風にちょうどいい。


夏の名残の花々

 小太郎尾根分岐から右俣へコースをとると風の影響を受けず、草スベリコースの分岐で薄着となる。御池分岐で何気なく木立の中を見ると小さな石板が岩の上に建てられている。「明るいほほえみ 山への愛 ここに永遠に」と刻まれている。栄大ハイキング部と記されている。今まで何度も通っていたところなのに気付かなかった。
 広河原への始発バスは10時20分だからとゆっくり歩くが、それでも9時前には広河原に着いてしまった。ジャンボタクシーがあるとは知らなかった。 新築中のアルペンプラザ前でタクシーとすれ違ったがので手を上げるが停まってはくれなかった

 仮営業中のアルペンプラザで文庫本を読みながらバスを待つ。曽野綾子は、半世紀前の昭和34年から婦人生活で連載された「諦めない女」の中で、『選挙になんとしても勝とうと思うなら、徹底した愚衆政策をとらなければならない。』と嘆いている。
 工事関係者と思われる男性4人が、「こんなに寒くちゃ、つるつる滑っちゃうから、今日は上がるのよそうか。」と北岳山荘へ行くのを取り止めている。


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