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テントを担いで・・・!
白馬岳~不帰キレット~五竜岳~鹿島槍ヶ岳~針ノ木岳
 

(2015/ 7/31~8/ 5)


白馬岳頂上宿舎のテント場(左のグリーンのテント)


 2015年 7月31日 (1日目) 
この日の行程 : 八方バスターミナル~(バス)~猿倉06:51~大雪渓~12:16白馬岳頂上宿舎(合計05:35)


天然のクーラー 大雪渓

 5泊6日のテント泊縦走の計画を立てた。コースは、猿倉から大雪渓を登り稜線を針ノ木岳までとした。北アルプスでの自分の肉体の限界はこのぐらいであろうとの見込みであったが、当初計画は南アルプスの8泊9日であった。自宅を車で出発するのは前日の夜半、駐車場所の八方尾根第2駐車場には午前2時過ぎの到着となって、睡眠時間は3時間程度しかない。駐車場の道路を挟んだ前の建物がバスターミナルとなっていて、猿倉まで運んでくれる。下山は扇沢で、そこから戻ってくるのは大変だが、この時期は扇沢から八方尾根のバスターミナルまでのバスが7月11日~8月31日の期間限定で運行されているので、便利極まりない。


葱平が目前に

 こんな忙しない世の中なのに、駐車場は無料である。さらにこれまで砂利であったところがアスファルトできれいに舗装されている。トイレあり、日帰り入浴施設、飲食施設ありと至れり尽くせりのところである。バスターミナルから猿倉への第一便は午前6時ちょうどに発車する。平日だと言うのにほぼ満杯の駐車場には、タクシーが頻繁に訪れて登山者を運んでいく。今日は白馬岳頂上宿舎まで上がればいいので急ぐ必要はない。それに縦走用の大きなザックを相乗りタクシーに乗せるには肩身が狭いので、朝食を摂りながらバスの発車時刻を待つ。


葱平のお花畑

 バスの終点、猿倉は大勢の登山者でにぎわっている。今日1日分の水を汲んで登山道に入る。3時間足らずの睡眠時間だったから体が非常に重い。発汗も甚だしい。若い人のグループが話をしながら軽やかに追い越して行く。ようやく着いた白馬尻小屋のベンチに腰掛け、大雪渓から流れ落ちてくる冷気で体を冷やすが、あっという間に汗はひき、かえって体が冷えすぎてしまった。



登山道を振り返る 右手は杓子岳方向

 白馬大雪渓をノーアイゼンで登る。ほとんどの人はアイゼンを装着しているが、なしでも特段の支障はない。大雪渓は大勢の登山者が一列となって整然と登っている。ただ、微妙に速度の遅い人もいるのでそんなときは追い越すが、6日間の衣食住+少しの酒の入ったザックを背負っていては、瞬発の力を発揮するときに使うエネルギー消費が体にこたえる。雪渓がいったん切れると花が咲き乱れる葱平になる。雪渓から流れ出る水を掬い何度も口に運ぶ。炎天下での休憩は辛い。稜線に向かって出発したがすぐ上で灌木の木陰で照りつける太陽からどうにか体の分だけ隠せたので横になる。ザレ場で水が流れている。ここで45分間も寝てしまった。


白馬岳頂上宿舎のテント村 明るいうちからどんどん埋まっていく

 雪渓をトラバースすると、本格的な花園に突入する。雪渓が融けたところから咲いているから、稜線ならとうに咲き終わっているウルップソウが綺麗に咲いている。今日の最大の関心事は、平日の金曜日ではあるがテント場の混雑具合である。大雪渓上を蟻の行列のように人が途切れることなく登ってきていることから、万一のことがあってはならない。そんな状況なのに45分も寝てしまった。というより寝ざるを得なかった。300kmの運転、3時間弱の睡眠では致し方ない。ただただ亀の歩みを進めるのみである。そうしたところ、朝方にスイスイと抜いて行った若者のグループを追い越すことになった。なんと痛快なことか。テント場に着いてみるとまだ20張りにも満たないテントしか張られておらず、少し高みの平坦な場所にmyテントを設営することができた。


テントの脇50cmの場所に咲くトウヤクリンドウ

 myテントの中は灼熱地獄であったので、待望のビールは頂上宿舎の食堂で「生」を注文する。この小屋のホームページを見ると「高地仕様生ビールサーバー」を使い生ビールにはおつまみ付きとのことだったが、それを知ったのは下山してからだった。ほろ酔い後は我慢してテントの中で横になるが、陽が陰るのがこれほど待ち遠しいことはなかった。

 今日の山地図上のコースタイムは「5:30」、実際のコースタイムは「5:35」であった。70ℓのザックを背負い途中で午睡を貪った割にはなかなかのできであった。夏山は「早立・早着」が基本というものの、いつもは最後の方に出発し遅く着くのが常であった。しかし、ヤマテンは「明日は強い寒気が入り午後からの雷雨」を予報しているので、早立を心掛けることとし夜の帳が下りるころにはシュラフに潜り込んで寝ることにした。


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