仙元尾根から酉谷山を経て大ドッケへ
(浦山大日堂を基点とした周回登山)
2010/ 2/24〜25
■ 2月25日(木)
大ドッケのフクジュソウ
湯たんぽを入れたシュラフでの眠りは快適であったが、それでも何度か目が覚めた。間もなく夜が明けるというとき、お隣さんが起きて支度を始めたので、「昨晩はごそごそ煩くしてすいませんでした。」と詫びを入れる。「いいえ、とんでもないです。」という会話から、山の話が始まった。その方は東京都下から奥多摩をメインに歩かれていて、なんとタワ尾根は20回以上歩いたというのだ。今回も、鷹ノ巣避難小屋、雲取山頂避難小屋を泊まり最後に酉谷山避難小屋に泊まったとのこと。昨年定年になって仕事に就かず、山三昧の日々。さて、その日を迎えたとき、私はどうしたものか。
今日は、大平山への初めての道である。昨日の偵察では七跳山からの北面に人が歩いた跡はなかった。早朝で凍っている登山道を酉谷山避難小屋から七跳山へと急ぐ。七跳山の頂上に赤テープがくくりつけられている。ここが大平山への分岐を示している。
雪が積もった分岐から先に進む。誰も歩いた様子はない。あれれ。急に足跡が着いている。どこからこの足跡を着けたのだろうと見ると、その足跡は紛れもないクマの足跡である。そのうち、足跡が増え、天目山林道に下る斜面は熊の足跡だらけで、林道が交わる大クビレの広場から大平山へも熊の足跡が続く。
そこはまだ雪の世界
そんな状況を予想して大きなクマ鈴を持ってきたが、これほどとは思わなかった。仙元尾根にも長沢背稜にも熊の足跡は一つもなかったのに、人の歩かないところは熊の天国のようだ。それでも大クビレからは熊の足跡が少なくなって、大平山に着く。大平山からはクマに変わって鹿の天国である。糞がおびただしい。ブナの若木は鹿の食害が著しく、無残だ。
フクジュソウの地にも出没 クマに注意!
大平山を過ぎ1469mに着くころには、スズタケが煩くなってくる。1315m独標付近から沢に降りなければならないが、目標がつかめず、二重稜線状となったところに出る。スズタケにちょこっと結ばれたブルーのテープを見るが、これでは下り過ぎたようだ。登り返してわずかに見晴らしが得られるところに出る。
前回大ドッケに行った際にあった下降点を示す稜線上の目標物を見つける。しかしそこはスズタケの密生地であり、踏み跡はわずか、というより獣道というのが正しい。200m弱を滑り落ちながら見覚えのある場所に着く。
セツブンソウも見ごろでした
そこはまだ雪に覆われているが、鹿がほじくり返したようなところに黄色い花が見えている。もう人が来ているのだなと近づいて雪の上に付けられた足跡を見ると、それは新しい熊の足跡だった。それこそ縦横に付けられている。危険極まりない。それでも花を画像に収めなくてはと、デジカメを取り出す。
酉谷山避難小屋(1600m)から浦山大日堂(450m)までの標高差は1150m。独標からはそれこそ転げ落ちるように下って、群生地を経由し事故なく浦山大日堂に着く。
往路(1日目) | 復路(2日目) | |||||
着 | 発 | 地点 | 地点 | 着 | 発 | |
0750 | 浦山大日堂 | 浦山大日堂 | 1245 | |||
1045 | 1045 | 大楢 | 下降点(含休憩) | 0950 | 1045 | |
1150 | 1235 | 仙元峠 | 大平山 | 0845 | 0855 | |
1345 | 1345 | 一杯水避難小屋 | 林道 | 0830 | 0830 | |
1550 | 1550 | 七跳山 | 七跳山 | 0740 | 0750 | |
1650 | 酉谷山避難小屋 | 酉谷山避難小屋 | 0640 | |||
所要時間 | 9時間00分 | 所要時間 | 6時間05分 |