[HOMEO] [北海道の山] [1日目]


ヒグマに遭いました ペテガリ岳西尾根コース〜Cカール
2004/ 8/14〜15


日高の朝 ペテガリ岳山頂直下 1張りのみのスペース

 2日目 8月15日

 ペテガリ岳の頂上へ着いたときは既に16時45分を回っていた。ここからCカールまでは1時間以上もかかる上,始めての道,ハイマツが生い茂っていて道も見えない。急がなくてはならないが,ハイマツに足を取られる。右側斜面に踏み跡があるのでこれをたどり,またハイマツ帯に出てかすかな登山道跡をたどったとき,大きなお尻をゆっさゆっさと振りながら目の先をヒグマが歩いて行き,そしてダッシュして走り去りハイマツの斜面にジャンプして入る。これはやばい,しかし,カメラには収めなければと構えるが焦点が定まらなく,その間2〜3秒だが,シャッターを押すことはできなかった。そうこうするうちに,ヒグマが向きを変えじっとこちらをうかがう。鈴を鳴らし,大声を上げて存在感をアピールするが,ヒグマは動ずることなくこちらを睨みつけたままで,その距離は100mほどか。 


ルベツネ山〜オロマップ遠望


 このままではCカールへ下りての幕営は無理であり,あと1歩のところに咲いているカムイビランジとのご対面はあっさりあきらめて,そろりそろりともときた道へと引き返す。ヒグマは追ってはこないようなので,冷静さを保って徐々に距離を広げる。ヒグマと遭遇した場所と頂上のテント場はヒグマにとっては眼と鼻の先,テント場から二つ先のコブを降りたところであり,いつお邪魔されるか心配ではあるが,ほかにテントを張るところはない。 


あこがれの1839峰(左)を背景にしたペテガリ頂上の画像 某空港の待合室ディスプレイ用として

 夜の帳が下りてきた。十勝平野の明かりが綺麗だ。日高側を見れば漁火が見える。それも煌々としていて目に眩しい感じがする。こんなに日高山脈の奥に入ったつもりなのに、あの明かりの下に人々がいて、あの明かりの舟はイカ漁でもしているのだろうか。

 ビールを飲んで,ウィスキーを口に含んでいるうちに,疲れも出てまどろみ,ヒグマの訪問のことはすっかり忘れて夢の中にとは行ってしまう。おかしなもので,見た夢は俗世界のことばかりで,もったいない気がする。(8・26)


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