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ヒグマに遭いました ペテガリ岳西尾根コース〜Cカール
2004/ 8/14〜15


ペテガリ暮色

 1日目 8月14日

  今年の夏山第2弾は,日高・カムイエクウチかウシ山に登って,北海道でも限られたごくわずかな場所にしか咲いていないというカムイビランジを見るつもりつもりであった。しかし,ペテガリ岳に登ってCカールに行くと,稜線の岩場にカムイビランジが咲いているとの確かな情報があり,さらに言うと,今の自分にカムイエクウチカウシ山に登る自信がいま一つないので西尾根コースを登ったのであった。

 ペテガリ岳のCカール方面でカムイビランジが見られると言っても,ここを日帰りで登れるわけでもなくテントを張って幕営する必要がある。その場合の荷物は重く,さらに,カールで水が取れない場合のことを考え,水を余分に背負ったザックの重さはなおのこと,西尾根コースの途中でいくつも越えなければならないコブにも悩まされることとなる。

 平成15年8月の台風10号の被害もあってか,ペテガリ岳登山口への林道は通行禁止とされているが,三石町から山を越えて登山口まで車を入れることができるとの裏情報をもとに,夜が明けきらないうちに車を走らせる。(今はこのルートも封鎖されている。) 
 登山口のペテガリ山荘には,北海道アウトドアサポートという組織の山岳ガイドが引率する東京からの登山者6名のほか,日本200名山全山登頂を,ペテガリ岳を最後に果たすという人が宿泊している。東京の一行は,昨日すでに日帰りで登っており,今日は観光とのんびりしている。
 


ヒグマがくれたペテガリ暮色A

 この一行のガイド氏によれば,13日午前,ペテガリ岳への登山道,標高1,500mの地点で頂上方面から登山道をどっしんどっしんと音を立てて下りてくる人がいるなと思っていると,ばったり出会ったのはヒグマであり,大声を上げて対峙し追い払ったとのことで,ヒグマとの遭遇に十分注意するようにとのアドバイスを受けた。

 ペテガリ岳に向かって登山道を歩くとすぐ,胸元まである熊笹が朝露に濡れてうっとうしい。すでに花の時期は過ぎ秋の花も多くなく,単調なアップダウンを繰り返しながら山頂に近づいていく。登山道は真新しいヒグマの掘り返しがいくつもあって,いつヒグマが出てきてもおかしくない雰囲気である。


これほどに幻想的な風景はかつて見たことがなかった

 ちょうどアドバイスがあったペテガリ岳への最後の登りのダケガンバの植生が見られる場所でザックを下ろして中の荷物をまさぐっているとき,上から下りてきた男性がフリーズしてしまい,動けなくなってしまった。
 
 声を出して「ひと」であることを告げるとフリーズは融けたものの,踏み出しの1歩で足を滑らせて転倒したので,熊と勘違いしたのだろうと聞くと,そんなことはないとは答えるが,見間違えたことに相違ない。昨年,3度熊に遭遇したという。


                               熊ぁ


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