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増水のコイカクの沢でもまれました
ぺテガリ岳〜ルベツネ山〜ヤオロマップ岳〜
〜コイカクシュサツナイ岳縦走


2005/7/30〜8/4

ペテガリ岳東尾根コース(2003/10/11〜12)の記録
ペテガリ岳西尾根コース(2004/ 8/14〜15)の記録

もあわせてご覧ください。
同じ年にサッシビチャリ沢稜線からオロマップ岳〜ペテガリ岳を歩いた笹平さんの記録
なお、2009年のtriglav氏による同じコースのヤマレコの記録は詳細である。


概 括


(ペテガリCカールへの稜線に咲くカムイビランジ)


 計画の概要・装備 ■

(計画の概要)

 日高山脈の深淵に,カムイビランジがわずかに咲くという。「カムイビランジ」を検索しても,この花をモチーフにした登山の記録は極わずかであり,日高の山の素人がどのようにしてカムイビランジを見ることができるのか皆目見当が付かない。

 そのような中,文字通りストイックなまでに日高の山を一人歩きされている旧「一人歩きの北海道百名山」,現在は「一人歩きの北海道山紀行」の「sakag」さんが,2004年7月,「ペテガリ東尾根コースからポンヤロマップ岳経由の3泊4日の計画で、ペテガリCカールまで来た。しかし、悪天候に阻まれて断念し」と書かれた記録の中で,まだ見ぬカムイビランジにご対面されているのを知った。

 そこで,どうしてもカムイビランジに会いたくて,sakagさんが登った翌月,すなわち2004年8月,さっそくペテガリ岳からルベツネ山付近を目指して山に入ったのだが,Cカールを目前にした地点でヒグマに遭遇し撤退を余儀なくされ,結局,このときはカムイビランジを見ることはかなわなかった。

 大胆にもと言えよう。無謀とも言えよう。2005年の夏山は,sakagさんが採った東尾根コースには,前回さんざんに痛めつけられているし,神威山荘から山越えで西尾根コースに取り付いてみたいとの好奇心からも,西尾根からペテガリ岳に登って憧れのCカールに泊まり,ルベツネ山からオロマップ岳に至って1839峰に攀じ登り,コイカクシュサツナイ岳を経て札内川ヒュッテに出る,自分にとっては未曾有のコースを歩くこととした。

 初めての日高山脈のロングランコース,一人旅,ルートの把握,現在位置の確定にGPSの使用は欠かせないと,廉価なGARMINの英語版を購入し,その操作に習熟する。地図は何度も飽くことなく眺め,そのアップダウンを頭に入れる。必要な装備は整った。 


 とうとう待ちに待った,神々が棲む日高山脈の深淵,ペテガリ岳からコイカクシュサツナイ岳への心ときめく縦走の開始である。

 1日目、岡山の地から空路千歳空港を経て,日高の海岸から神威山荘まで入る。神威山荘からシュオマナイ川を渡り,沢を詰めた後源頭を越えてペテガリ山荘で泊まる。
 
2日目,ペテガリ山荘から西尾根コースを取ってペテガリ岳に登り,その後稜線を北上し憧れのCカールに下り幕営する。
 3日目,Cカールからルベツネ山,1600mを経てヤオロマップ岳に至り幕営する。
 4日目,ヤオロマップ岳から1839峰を往復し,ヤオロの窓で幕営する。
  5日目,ヤオロの窓からコイカクシュサツナイ岳を越え,夏尾根の頭からコイカクシュサツナイ川を下り札内ヒュッテに至る。

天候等のコンディションにより1839峰を割愛する。出発直前の予報では,ペテガリ岳に登る8月1日に雨の予報があるが,総じて良い天候が期待できる。


(平水時のシュオマナイ川)

                         (装備)
  日高の狭い稜線で幕営するためにはダンロップDL−11のような一人用の小さなテントがいい。逃げ込む場のない日高の非常に狭い稜線で直接強い雨風を受けた場合,防水性能とともに強度が求められるが,このテントは軽量であるとともに信頼性が高い。
 ペテガリ岳から先ははじめての山で,すべては自分への試練,自分との戦いである。濃いガスで目前しか見えないような厳しい状況では,GPSが目標地点へのナビゲーション,現在位置の把握など数え切れない役割を果たしてくれる。道案内にGARMIN etrex Venture(英語版)を購入した。そのコストパフォーマンスは高い。

食料は日程プラス1日分とした。非常用ブドウ糖は,2003年のペテガリ岳東尾根コースにおいて実証済のとおり,食事を摂れない厳しい状況下での脳への即効性のエネルギーであり,思考能力を保持してくれるのに有用である。
  水はルート上のCカール及びヤオロマップ岳の源頭で取れるという情報があるが,極限で使う予備としてクリタが通信販売しているビニールのパッケージ入りの1.5リットルの水を別に持った。この水は,保存性とともに,ポリタンのようにザックの中で他の荷物に干渉せず,パッキングに便利である。ガスカートリッジは飛行機に持ち込めないので,新千歳空港に到着したときにロビーにあるJALの売店で買うのが一番手っ取り早い。


(ペテガリ岳山荘への山越えルート)


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