[HOME][][

南アルプス/茶臼岳〜光岳往復 (2013)
(2013/ 8/22〜24)

茶臼小屋〜畑薙大吊橋下山 (3日目)


茶臼小屋のテント場(グリーン)


 2013年8月24日(土) 


茶臼小屋のテント場

 明け方、まだ雨が降っているが、人の足音がする。午前3時にもなっていないが、(トイレが)我慢ならなかったようだ。もうしばらくすると、ツアー登山者や他の登山者が次々と出発して稜線に向かって上がっていく。もさもさしていてもまだ5時前、風がとても強い。スケジュールどおりに計画をこなさなければならないのは分かるとしても、稜線から100mも下がった茶臼小屋でこの風の強さである。気温は高いので、風さえ凌ぐことができれば取り立てて危険な場所はないのだろう。特に光岳までの間で吹き上げる風に直接晒されるのは稜線から茶臼岳と下りのザレ場ぐらいだろうし。


樺段

 そのような人のことを言っていてもしようがない。携帯で雨雲の現在位置を見ると、茶臼岳に次の強い雨雲が迫っている。ただ、日本海から長い帯になっている雨雲は徐々に南下しているようだ。それに追われるように下山を急げば雨に打たれないだろうと、テント内であらかたパッキングして最後にテントを畳み、雨をたっぷり吸いこんだテントやフライシートをザックに収める。朝食はなし。とにかく小康状態のうちに高度を下げるに限る。


ベンチの先が大無間岳 振り返ると上河内岳

 雨ですっかり洗われて滑りやすい登山道を下る。途中歩きながら小腹を満たし横窪沢小屋に着くと、ちびっこ登山家たちが出発の準備をしている。ここでまた、登山家たちと戯れて25分も遊んでしまった。ちびっこ登山家たちは小屋を出立し、ひらりひらりと登山道を下りて行く。途中すれ違う登りの人たちが目を丸くしてちびっこ登山者が下りて行くのを眺めている。「すごいですね〜。ザックが体にぴったり馴染んでいますよ。」と話しかけてくる人もいる。ザレた急斜面の下降を見るととんでもないちびっこ登山家であることを認識する。


樺段手前のベンチ

 横窪沢小屋とウソッコ沢小屋の中間地点で、ちびっこ登山家たちが休憩している。下のちびっこが「追い着くからね。」と見送って(?)くれる。いくら百名山完登目前とは言え、大人げないと笑われてもこちらにも山歩き10数年の矜持というものがある。そんな対抗心を胸に抜かれてはならぬと歩みを進める。ヤレヤレ峠で大きなグループの一団と少し話をした以外は、黙々と先に進む。畑薙大吊橋を目前にして、後続者の気配がないので楽生かなと吊橋を余裕で渡る。吊橋を渡り切るとちびっこ登山家の声がする。沼平ゲートに着き身支度を整えようとしていると、お兄ちゃん登山家が到着する。これは脅威以外の何物でもない。


畑雉大吊橋を渡るちびっこ登山家とおじいちゃん

 ちびっこ登山家たちは、10時40分のバスに時間があるのでゲートまで下りてきたと言う。車に同乗してもらって東海フォレストの駐車場に行く。そしてちびっこ登山家たちと赤石温泉白樺荘で一緒に湯船に浸かることとする。下のちびっこが(この)おじいちゃんを見付け嬉々として話しかけてくる。百名山完登の北岳&間ノ岳は次週になるという。一緒に登りたいという光栄な申し出を受けたが、いかんせん(この)おじいちゃんの勤労の日であり、自由がきかない。「おじいちゃん、また山で会おうね。きっとだよ。」というちびっこ登山者を見送って、高速に向かう。(新静岡IC手前のコンビニで、ちびっこ登山家たちと再び会う。別れの挨拶を再度したかったが、好きなものの買い物ができず拗ねて泣いていたので、「バイバイ、またね。」と言うことが出来なかった。)


[HOME][][