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リベンジ! 塩見岳
両俣小屋〜熊ノ平小屋〜塩見岳〜間ノ岳〜北岳
(2011/ 9/16〜18)

2010/9/20の仙塩尾根チャレンジの記録はこちら


 9月16日(1日目) 
野呂川〜三峰岳〜熊ノ平小屋

 仙塩尾根を歩こうと、2010年9月20日に仙丈ヶ岳から塩見岳を目指したのですが、そのときは前線が南下してきて天候の悪化に見舞われ・・・、というよりその予兆に恐れをなし熊ノ平小屋のテント場で塩見岳はあきらめ、北岳を回って早々に下りてしまったのでした。塩見岳は北岳を登っているときにいつも憧れに似た思いで眺めていた山です。どうしてもリベンジしたく、3日間は中日を除きどうにか天気が持ちそうなので予定どおり入山することにしました。ただ、入山日が平日なので芦安から広河原に向かう始発バスが午前7時40分と、あまりにも遅いのが難点です。


野呂川と林道

 今回は、広河原に午前8時40分に着いて、それから午後9時ちょうど発の北沢峠行のバスに乗り換えるので、野呂川出合に着くのは午前9時15分となってしまいます。ここから熊ノ平小屋までのコースタイムは7時間50分もあります。順調に(休憩なしに)歩いて午後5時着ですから貧脚には堪えます。それでもテントを背負っていますから、気力が萎えたらビバークです。野呂川越から三峰岳の間には、等間隔に6か所もテントサイト適地があることは昨年確認済みであり、今回その場所を地図に記してきています。


唯一仙塩尾根が見える場所

 塩見岳を山梨側から登るには(貧脚の私の場合)最低山中で2泊は必要ですが、その場合は野呂川に沿って歩き、両俣小屋を経て熊ノ平小屋を中継地点に、そこで2泊するのが無理のない方法です。広河原から南アルプス市営バスで北沢峠行のバスを野呂川出合で下ります。数人が下車しましたが、皆さん渓流釣りのようです。一人、炎天下の野呂川に沿った林道をテクテクと歩きますが、いつまでも同じ風景が続きます。


43分17秒では着きませんでした

 重いザックを背負っての林道歩きは辛いものです。凸凹のある山道ではないのでザックの荷重が肩の同じ場所にかかります。そのため血液の循環もよくないようなので、たまにザックを揺らしてやります。無聊な林道歩きですが、唯一両俣小屋を指すおもしろい標識がありました。小屋までの所要時間を「43分17秒」と表示していますが、私は「56分」もかかってしまいました。ここの「林道」のイメージは緩やかな登りだったのですが、実際は多くの沢があってそれに向かって下りて、また登ってというふうに起伏に富んでいたのでした。


野呂川の崩壊斜面

 台風12号は、各地に大きな爪痕を残しましたが、野呂川沿いにも大きな崩落か所が2か所あったほか、駐車スペース先の林道はあちこちでえぐられています。そのため巻き道を通ることもたびたびですが、通行に支障があるというものではありません。ただ、降雨量によっては崩壊斜面からの土砂崩れと河床を溢れた水に十分な注意が必要です。


ゴゼンタチバナ 両俣小屋から野呂川越の樹林で

 林道歩きから河原歩きとなってしばらくすると両俣小屋が見えます。何人かの宿泊者が野外で食事をしています。女性の小屋番さんが明るく迎えてくれます。私の背負っている大きなザックを見たからなのでしょう。「どこまで?」と聞きます。「熊ノ平まで行きます。」と答えると、「登山道は山裾に沿ってありますからね。」と元気な声で督励してくれます。本当は、喉も乾いているし、お昼に近いからお腹も満たしたかったのですが、「休んでなんかいないで早く行きなさい。」という優しさだったのですね、たぶん。


野呂川越〜三峰岳への稜線

 しばらく右俣沢に沿って歩きます。そういえば左俣沢という沢も小屋の先から分かれていますので、この「左右」を「両」と言い表し、小屋を「両俣小屋」と名付けたのでしょう、と得心するのでした。鬱蒼とした樹林帯を登るようになるといよいよ傾斜も急になります。野呂川越までは約270mの標高差です。我慢して登り詰めると若い男性2人が思案中です。(2日間で出会ったのはこの2人だけ!)北岳山荘、農鳥小屋でテント泊し、これから高望池に行こうか、両俣小屋に下りてビールを飲もうか協議中だったのでした。この2人は、レトルトのものばかり食べていて無性に野菜が食べたいとも言っていました。結局ビールの魅力に負けて両俣小屋で泊まることを決めたようでした。


奥に三峰岳のピーク

 野呂川越からが今日の難所です。難所の理由は三峰岳までの標高差700mと4つの顕著なピークを登り降りしなければならないことと、長い稜線歩きにあります。昨年はここを4時間40分もかかって歩いています。昨年同様足取りは重かったのですが、今年は3時間25分とまずまずの進歩です。三峰岳でのピークからは北岳は雲に覆われて見えませんが、間ノ岳や農鳥岳がきれいに見渡すことができます。


間ノ岳に写る三峰岳の影

 三峰岳から熊ノ平までは1時間半の距離ですが、熊ノ平小屋に下りてしまうと携帯電話が通じないので、三峰岳の頂上で行程管理人にメールを打ち現在位置を知らせます。(携帯電話は、小屋の手前「井川越」の崩壊地でも使えます。)その後タッタタと急斜面を降り、ガレ場をトラバースし、ハイマツをグイグイッと踏み分けて最後のジグザグの登山道を駆け下り、熊ノ平小屋に到着です。今夜は小屋に宿泊者はいないそうです。テントサイトのすぐ脇に湧水があります。ビールと日本酒を冷やしながらテントを設営します。雨が落ちてきました。一晩中小雨がテントを叩いていて、「今年も塩見岳はお預けか。」とモチベーションはすっかり低下してしまいました。

1日目 2日目 3日目
場所 場所 場所
野呂川出合   0925 熊ノ平小屋 0635 熊ノ平小屋 0520
1145 両俣小屋 1145 0900 北荒川岳 0900 0600 三国平 0600
1250 野呂川越 1300 1015 蝙蝠岳分岐 1015 0605 三峰岳 0605
1625 三峰岳 1635 1045 塩見岳 1115 0755 間ノ岳 0800
1710 三国平 1710 1155 池ノ沢小屋分岐 1155 0910 北岳山荘 0920
1735 熊ノ平小屋 1245 北荒川岳 1245 1040 北岳 1050
1500 熊ノ平小屋 1115 肩ノ小屋 1130
1235 白根御池小屋  1245
1405 広河原
所要 8時間10分 所要 8時間25分 所要 8時間25分

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