西黒尾根から 谷川岳
■ 2014/10/11(土) ■
いつ寝たのか定かでない。それでも夜半に目が覚めたときはシュラフの中にすっぽり収まっていた。熱くて再び寝付くのに時間がかかったが、寝入るとシーンの違った夢を3つも見てしまった。ちょっと摩訶不思議な夢だったが理屈に合わない話ではなかった。夜明け前、ラジオ深夜便を聞きながら、さていつになったらみなさんが起き出すのかなと見ていてもその気配がない。
西尾根
東の空がぼちぼちと白んでくる。当初予定の茂倉新道を下りる計画は・・・?お隣さんがトイレから戻ってきて「すごいことになっているよ。これだと、茂倉岳から雲海を見ると朝日に染まって真っ赤になるね。」という。真っ赤な雲海を見るには間に合わないだろうが昨日の計画は反故にして、もと来た道を景色を楽しみながら戻ることにする。
茂倉岳避難小屋
昨晩一緒だった3人の今日の行程は
@ 蓬ヒュッテまで行き、土樽駅に出ようかなぁ
A 谷川岳から天神平へ行きロープウェイに乗る
B 谷川岳から平標山を歩き通す
というもので、それにC谷川岳から西黒尾根を戻るという老少年を含め、それぞれ出発の準備を進める。
武能岳と奥に上越のマッターホルンと称される大源太山
蓬ヒュッテに行く人が野菜の苗を生産していることが分かり、あれこれ話が弾んだ。まだ、食事の人がいたので小屋の板の間の自分のところだけ箒で掃き出し、あとは最後の人に託す。小屋使用のチップ(500円が相場か)の投入を忘れてはならない。以前来た時に比べ、ステンレス製のチップ入れの箱が鎖で頑丈に巻かれている。要するに山に来る奴の中に泥棒がいるということだ。
一ノ倉岳のシェルター
小屋を持して茂倉岳を登る。いやはや、これぞ登山日和、心がいっぺんに解放される。出発の朝は目覚ましが2度なったはずなのに、まったく聞こえず慌てて家を出てあれこれ忘れ物をし、トイレタイムで一日に5本ほどしかない列車に乗り遅れるなどさんざんな1日目ではあったが、今日の天候はそのようなことすべてをチャラにしてくれた。
一ノ倉岳の下りから見たオキノ耳
一ノ倉山からオキノ耳を目指して下る。何人かにすれ違ったが肩の小屋泊まりの人のようだった。若い人が景気よく歩いてくるので聞くと、午前3時半に西黒尾根を登り始めたとのことであった。そんな登り方もあるものだと感心したが、もうそんなことは真似しようと思っても肉体的にできっこない。
一ノ倉岳を振り返る
そんな今日の予定は、一応西黒尾根は下りる。下りたら「湯テルメ谷川」で汗を流し販売している地の野菜とリンゴは買う。一般道を昭和村まで走り「昭和村農産物直売所 旬菜館」で採れたての野菜と果物を仕入れることにしている。旬菜館の野菜や果物は凄すぎる。
オキノ耳と俎ー山稜
まだ朝早いので、オキノ耳では少しの人とか出会わなかったが、トマノ耳で人が増え、西黒尾根を下って行くうちにとんでもない数の人とすれ違うことになった。この人たちは朝の早い時間から登って来たのであろうから、これからロープウェイを使ってくる人のことを考えると、今日の谷川岳は大変なことになるだろう。
西黒尾根のミヤマリンドウ
ラクダのコブの鎖場で待つ人の数は半端ではなかった。いつまでも待っていては埒が明かないし、下りは一人だけであったのでいったん登りの人に待ってもらう。待ってくれていた人に声を掛けながら交差すると温かい声をたくさん掛けられる。ちょっとザックが大きかったから?
西黒尾根から谷川岳
トマノ耳からおおよそ1,200mを下ることになる。途中1度、標高920mほどのところの送電鉄塔の下で休む。風が強くなって周りの大きな木々が大きな音を立てるが、木に囲まれた鉄塔下部は静で日差しが暖かく平和そのものの休憩場所であった。例えようのない幸せな気分に浸る。山ってやっぱりいいなぁ。