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西黒尾根から谷川岳 茂倉避難小屋泊(2014)


谷川岳 肩ノ小屋


 2014/10/10 (土) 

 体育の日を中心とした週末は槍ヶ岳のテント場でテントライフを満喫することになっていた。しかし、日本海側に前線があってそれが横切って行くという予報なので、行きつけの谷川岳を登ることにした。ヤマテンは「10日、北日本中心の弱い冬型になる。このため、朝から北西風がやや強まり、ガスに覆われて越後側や稜線でしぐれる。 11日、晴れる。日中は稜線の北風も弱まっていき、登山日和に。」との御宣託だ。

 
西黒尾根から

 1日目の天気予報はそうではあっても、吾策新道上部の紅葉が見たいからと、ルートは1日目、土合駅に車を置き、土樽駅から万太郎山へ、そして大障子避難小屋まで。2日目は肩の小屋を経て谷川岳、茂倉岳避難小屋を覗いて茂倉新道を土樽駅へと下るはずだった。早朝の高速道路を水上ICへと走る。湯檜曽を経てJR土合駅に着くと時間も十分にあるので朝刊をゆっくり読み、さあホームへ行こうかと身支度をすると、携帯電話とトレッキングポールがない。あちゃ〜。


先行する青年

 野菜中心の食生活を送っているから寝起きからトイレは快調・・・、なはずが、今日はなぜか音沙汰なし。と思っていたら駅舎に入るなり呼び出しを受けトイレに入る。え〜、あと12分しかない。改札からホームに下りるには10分間かかるのに。長〜〜〜い階段を下り、あと少しというところで無常の警笛が鳴って電車は出て行ってしまった。すごすごと階段を登り返しながら次善の策を考える。そうだ、西黒尾根を登ろう。


雲海に飲み込まれた谷川岳

 土合駅前のバス停で谷川岳ロープウェイ行のバスを待つこと10数分。到着したバスは立っている人もいるほどの大盛況だったが、 ロープウェイ駅で下り立った人の多くが、ロープウェイを利用して天神平らへと向かったようで、西黒尾根方向に追随してきた人はいなかった。谷川岳登山指導センターで登山届を出す。センターの建物の前の水場の水は順調に流れている。


尾根から天神平を見る

 西黒尾根の取り付きからすぐさま急傾斜になっている。トレッキングポールを忘れてきてしまったから、17kgあるザックの重さが膝と腰にダイレクトに反映する。衝撃を与えないような足の置き方をしながら進む。恐れていた負担感はそれほどなく、ポールがなくても結構歩けるじゃないか。淡々と登って行くと鎖の岩場で青年に追い着き追い越す。


シェルター

 ガスの立ち込めた谷川岳「肩の小屋」の手前で腰を下ろし、北風を避けて昼食を摂る。腰を下ろしてから17分後、岩場で追い越した青年が登りついたので暫し山談義となる。年齢の話になって実年齢を言うと「お若いですね。そうは見えません。」と、青年は、この歳になるとまことに響きで受け取ることができる言葉を発する実にいい青年だった。


分岐標識

 肩の小屋は、平日の金曜日というのに多くの人が通り過ぎる。若い人たちが多い。明るくあいさつを交わす。そんな風景もトマノ耳までである。オキノ耳でまでで出会った人は中高年のご夫婦一組と男性1人のみ。濃いガスが立ち込めているとはいえ、こんなにも違うものなのか。まあ風が出てきてガスも濃いからそんなものか。ノゾキはどこかも認識せず通り過ぎ、ちょっと止まったら体が冷えてきたのでレインスーツの上を羽織る。


濃霧に霞む茂倉岳避難小屋

 一ノ倉岳に出て茂倉岳へと向かう。金曜日の夜だから避難小屋は無人だろうと思って茂倉岳の斜面を下りる。立ち込めるガスの中に佇む小屋は静かなようだったが、小屋のドアを2枚開けて中に入ると、それぞれ単独の男性3名様が夕食あるいは一杯やっている最中であった。谷川岳トマノ耳の華やいだ光景とはまったく趣の違う、渋い風景だ。その風景にすぐさま溶け込んで、担ぎ上げてきたビールや酒で寛ぐ。この天気だから、明日は茂倉新道を下って2時間と少し、土樽駅から土合駅に戻るのが順当なところだろう。幸い午前10時過ぎ発の臨時電車がある。


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