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光岳から茶臼岳 大吊橋まで一気に下りる 
(2015/ 8/22〜24)


大吊橋を渡り終えて 


 2015年 8月23日 (2日目) 
この日の行程 :県営光小屋05:29〜06:26易老岳06:36〜07:53希望峰08:37茶臼岳〜09:00茶臼小屋09:15
10:231932m〜ベンチ〜11:05横窪沢小屋11:20〜12:02ウソッコ小屋12:10〜12:38ヤレヤレ峠12:43〜
13:25大吊橋13:30〜13:45沼平ゲート


光小屋裏から イザルヶ岳

 2日目の光岳小屋前での出来事〜明るい日差しを浴びながら光小屋の前のベンチで多くの人が午後のひと時を楽しんでいる。イザルヶ岳に登って来たという男性に対し、東京三多摩地区にある山岳会の年配(お年寄り)の会長さんが、イザルヶ岳は茶臼岳から登ってくると登山道の右手にあるという。そして自分たちはその右側(小屋から見ると左側)のイザルヶ岳に登って来たという。どちらがイザルヶ岳か登山道から往復で15分なはずがない。もっと時間がかかる。イザルヶ岳は左にあるピークだと言ってまったく譲らないどころか自説を滔々と述べる。はたから見ていて、爺様のカチカチの頭も困ったものだ、メンバーも大変だなと同情するのであった。 


これも南アルプスの特徴 幼木帯

 それは昨日の話である。今回の南アルプスは、計画上ではあまりにもゆったり山行の3泊(@茶臼小屋A光小屋B茶臼小屋)であった。しかし、2日目の昨日があまりにもゆったりしすぎて体力・気力充実で、ここから茶臼小屋まで行って泊まるというのはあまりにも退屈が予想される。そういうことから今日は少し早目に光小屋を出発して畑薙ダム・大吊橋まで下りてしまうことにしたのだった。


朝日が射し込む森林帯

 朝目が覚めて空を見ると曇るところがなく星がキラキラと輝いている。ではもう一寝入りと小一時間寝て起きると、ガスで覆われている星空はどこへ行ってしまったのか。それでも雨に降られるとの予報ではなかった。テントを畳むころには半数の人が出発してしまった。テント場の朝は早い。静高平の水場で水をいただいたあとは一直線で易老岳まで進む。小休止したのち希望峰へ進むと20数人のツアー登山に道を譲ることになる。その後ダケカンバの稜線を歩いていると喧しい集団がやってくる。そのうるささは特筆もので、こちらが道を譲って待っているときもぺちゃくちゃ。なんとかツーリズムのツアー登山だった。


仁田池先のプロムナード

 茶臼小屋でトイレ+エネルギー補給のため少し長めの休憩を15分とった。秋の花々に彩られたテント場を抜け、横窪沢まではノンストップで下りる。ときどき見える稜線はときどき黒い雲で覆われるようになる。今日は予報からも稜線では本格的な雨があるのだろう。急斜面をどんどん下降していくと、スタイリッシュな姿の単独女性が爽やかな香りを残してスイスイと登って行く。スポーツシューズ(トレランシューズ?)も軽やかでこのような山のファッションがあるのだというような好ましいものだったが、多分相当な雨にみまわれるだろうから、可哀想だなと同情を禁じ得なかった。

 
茶臼小屋にお別れ (下山時)

 沢登りスタイルの若者2人が老いぼれ登山者をとっとと追い越して行く。まさにこれは軽業師と思わせる足取りで、そのスピードに驚く。登山の提要は、遅くてもいいから一定のスピードと休みすぎないことと心得ている。横窪沢小屋に着いてみると、案の定この2人がちょっとオーバーヒート気味の様子で休んでいて、こちらを見てちょっと「あっ!」というような顔をしたと思ったのは穿ちすぎか。 当の本人もその後、ウソッコ沢小屋で8分、ヤレヤレ峠で5分、休んでしまった。


畑薙 大吊橋

 無事大吊橋に到着した。所要時間は6時間54分。あっぱれなものだ。ところがもう全身の倦怠感に襲われる。まるで雨に降られながら歩いたような汗で着ているものはびしょびしょになっている。早く白樺荘にたどり着いて温泉に浸かりたい。そう思いながら林道を歩いていると、井川観光協会の登山バスがス〜ッと停まって、「乗っていきな。」と言ってくれる。その後、茶臼岳日帰りの男女2人のところで停まるが、「もう少し歩けばゲートだから頑張って歩きな」と言ってマイクロバスを走らせる。その違いはゲートまでの距離のほか、トレラン姿にあったのかもしれない。
 帰路の東名高速+首都高速は、事故・事故・事故の連続で帰宅までに11時間もかかってしまった。山の疲れよりまったく動かない大渋滞での運転の方が倍疲れたのだった。


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