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四間小屋尾根を下りて酉谷山避難小屋へ
2012/11/16〜17


タワ尾根の自然林


 11月16日(金) 1日目  

 紅葉が特に素晴らしい・・・、ということでタワ尾根を登ります。ミズナラの巨樹の先を登っていると男性が追い着いてきます。切り株の写真を撮っていたのですが、人の気配で顔を上げ挨拶します。男性は目線を合わせただけで通り過ぎていきます。
金袋山手前の作業道と合わさるところで姿を見失ったので、東西のどちらかに入ったのでしょう。

 今日はほとんど休憩なしで篶坂ノ丸まで詰めました。さらにウトウノ頭まで進みます。休憩を取っているとウトウノ頭の手前でこちらを見たり見なかったりしているような青年がいます。どうも遠慮しているようなので、「どこまで行くの?」と声を掛けると、「行けたら長沢背稜まで行って、また戻ってくる予定です。」と答えます。


この見苦しい荷造り紐が延々と・・・

 青年と別れ四間小屋尾根を小川谷に下ります。ヤマレコで「四軒小屋尾根」を検索すると、2012年5月のpippiさんの記録がありました。ウトウノ頭から長沢背稜に進むべきところを、四軒小屋尾根に入り込み上段歩道を横切って三又まで下り、無事に小川谷を東日原に抜けたというものでした。

 始めから四軒小屋尾根を下るというのなら分かりますが、そうでないならこの尾根から三又に出るには相当の心細さがあったと思います。上段歩道から三又の間には崩壊斜面もあり、また三又から小川谷の土場の駐車場までの間も、先の大震災の影響により足場の悪いところもあっただろうから、無事で何よりというところです。


大京のクビレから長沢背稜に向かう
赤線がこれまでのルート(稜線の岩場を辿って行く)
白線にも踏み跡が付き始めた(最後に急な斜面を登り詰めて稜線に出るとすぐ先にモノレール軌道がある)

 かくいう私は、三又から旧酉谷小屋に向かう道を忘れてしまって、正しいコースをたどっているのに不安感からいったん戻って風景を確かめるやら、先に進んだ沢の分かれているところでもこんな枝沢があっただろうかなどと、落ち葉の堆積と小川谷林道の通行禁止措置によって踏み跡もはっきりしない影響を受けてしまったのでした。


ウトウノ頭から長沢背稜に出る 四間小屋尾根を下りるには?
赤線〜→ 四間小屋尾根へ 方向概略としては多少の紆余曲折はあっても→へダイレクト
白線〜→ 長沢背稜へ 矢印の先の左手にある空洞のできた木の右側を斜めに下りながら、最後には白線の方向に収斂される

 長い時間をかけてようやく到着した酉谷山避難小屋には誰もおらず、静かな小屋を独占できる嬉しさで、浮き浮きしながらご褒美のビールと日本酒でまったりです。夜の帳が下りた小屋の外気温は3℃、小屋内は10℃と快適です。午後7時にはすっかり就寝体制に入ってしまったのでした。


 11月17日 (土・2日目) 

 今日はタワ尾根を下るだけなのでのんびりした朝の時間を過ごします。お米を炊いて朝食にし、出発前に恒例の小屋の清掃ですが、前の人がほとんど完璧にきれいにしてくれていたので、形だけの掃除となりました。

 タワ尾根を下っていると、小雨の中、男性2人が登ってきます。遅い時間なので「小屋泊まりですか。」と声を掛けると「10月に行方不明となった人を探しています。」ということだったので、特に四間小屋尾根と小川谷から酉谷山避難小屋までの状況を説明します。今年2012年、秩父側を登っていた75歳の男性と50代の男性が道迷いで3日間彷徨い、捜索中の警察官に発見されたときに「こんなのは遭難じゃない。」と強弁を張ったとのことです。現在捜索中の単独男性(36歳)のように、1か月半以上も継続して官民により捜索がなされていることの労苦を考えると、もっと謙虚であってもいいのかなと思いますが、人それぞれということでしょう。


大京のクビレをウトウノ頭方向に向かう
白線のルートは危険
緑色の線を辿る(踏み跡はしっかりしている)

 いずれにしても、奥多摩だからとか、秩父の里の山だからなどと思わないで、行き先とルートは家人に残していくのがいいのでしょう。それにしてもこの界隈は遭難が多いのが特徴ですが、それは四間尾根、小黒、矢岳、熊倉山を歩いてみれば、そうもありなんと納得できることでしょう。

 下図は、前回よく確認もせず尾根を間違えて下りたときのGPSのトラックログです。

 今回はその反省の意味を込めて正しいルートのトラックログを取り直してきました。あまり間違えようのない尾根に見えますが1388mから上段歩道に出る最後の70mほどの標高差の傾斜はかなりきつかったことがログの曲がり方で分かります。とは言っても、植樹された人工林の斜面ですから、実際には何も問題の起こりようのないところです。


 一石神社への雨で濡れた急斜面をそろそろと降りて日原の鍾乳洞に着くとハイカーや観光客が大勢います。山装備をした女性4人組が「どこへ行かれましたか?」と声を掛けてきます。鍾乳洞まで歩いて引き返すそうです。

※ 誤って多くの画像を消してしまいました。タワ尾根下部は素晴らしい紅葉だったのに。


往路    復路   
 着  地点 発  着  地点  発 
   東日原P 0745    酉谷山避難小屋 0735 
0850  ベンチ 0855  0910   タワ尾根分岐 0910 
0920  一石山  0920  0950 ウトウノ頭 0955 
0945 巨樹  0950  1025  篶坂ノ丸 1025 
1025  金袋山 1025 1045 金袋山 1045 
1050  篶坂ノ丸 1050  1005 巨樹  1110 
1135   ウトウノ頭 1200 1130 一石山 1130 
1310  三又 1325  ベンチ  
   旧酉谷小屋   1200  一石神社  1200 
1530  酉谷山避難小屋   1230 東日原   
 所要時間 0745 所要時間   0425

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