大血川から酉谷山避難小屋へ
2013/ 9/ 6〜7
霞む酉谷山避難小屋
■ 9月 6日(金) 1日目 ■
南アルプステント泊縦走(5泊)、北岳嶺崩ルートから北岳テント泊(1泊)、茶臼岳〜光岳往復テント泊(2泊)と、辛くて楽しい山行が続いたので、そろそろ癒しの山登りとしてかねてから計画していた酉谷山へ、大血川から行くことにした。5月の花の時期、きんさん・ぎんさんと感激の対面をし、その後到着した酉谷山避難小屋に先着していた日高フリークのメンバーを含む4人のパーティが、今回タワ尾根から登ってくるということだったので、その方たちとの再会も楽しみの一つの酉谷山となった。
明日迎えにくるまで待っていておくれ
大血川から大日向に出て東谷を東谷東大演習林に沿って登るこのコースでは、これまですれ違った人は一人もおらず、静かにマイペースで登ることができる準お気に入りのコースである。「準」とした理由は、あまりにも使う人がおらずマイナー過ぎるところ、鬱蒼とした樹林帯を縫うだけのコースで展望は全くなく、極めてうら寂しいというところにある。それほど使う人は少ない。
東谷林道ゲート
林道ゲートをくぐると、ほどなくして「工事中」の看板に出合い、沢を渡って「ケンカ平歩道」に出て東谷に沿って歩くようになっている。この歩道は、工事のう回路として丁寧に手が加えられていて歩きやすい。歩道は「小滝橋」の直前で東谷林道に復する。炭焼き小屋を左に見てなおも進んでいく。クイナ沢橋で林道は終わり、マタタビのツルに実がぎっしり生っているいるのを横目にザレのトラバースを経て急斜面に取り付く。
マタタビの実がいっぱい
今日は思わしくない天気で、ガスが立ち込めている。湿度100%なのにウールのロングのTシャツを着ていることもあって、汗がしこたま滴り落ちるほど流れる。上下とも衣類は汗でびっしょりである。そんな劣悪な環境も自分で選んだ結果なので、黙々と登る。マイナーなルートであろうとなかろうと、最近は臆病風を拭かせた赤テープ、荷造り紐が嫌と言うほど残置されているのが普通だが、このルートの残置テープもその多くが駆逐されたようで、清々しい。
酉谷山避難小屋
このコースの魅力は人けが少ないことにあると言った。大血川と熊倉山を分ける「街道」に出ても、小黒に登っても、酉谷山に登っても誰にも会わない。そんな酉谷山の頂上標識に「壮年」と「高年者」がそれぞれ別々に遭難して、その情報を求めるポスターが貼られている。この界隈での過去の遭難者(で無事戻ってきた人)の記録を見ると、酉谷山の頂上を起点とする遭難は、酉谷山から小黒を抜けた先でのことが多い。鬱蒼とした樹林帯で現在位置が把握できず、あるいは屈折点を誤ってそれに気づかず深みへ深みへとはまって行き進退窮まることが多い。自分で登り返すことのできないような場所に下りるのは現に慎まなければならないことは、この界隈の地形を知悉している地元の人からの忠告である。
小屋の水場
早い時間い着いたから小屋をきれいにしておこう、その前にビールと日本酒を冷やさなければ。適度な流の水場からは、細かい砂礫が流れ出ているし、自然界のゴミも結構流れてきている。次回来るときには、濾過紙を持ってこなくてはならない。タワ尾根から登ってくる人たちはあと1時間はかかるだろうとのんびり構えていると、予想に反して早く到着した。さっそく酉谷山での再会を祝す。後に単独氏も到着したので、板の間のスペースをそれぞれ譲り合って均等にする。おいしいお酒に心づくしの夕食で時間はあっという間に過ぎていく。小屋に夜の帳が下りてきたので安眠体制に就く。
往路(1日目) | 復路(2日目) | |||||
着 | 地点 | 発 | 着 | 地点 | 発 | |
滝谷林道ゲート | 0820 | 酉谷山避難小屋 | 0600 | |||
0905 | クイナ沢橋 | 0910 | 酉谷山 | |||
1140 | 熊倉山分岐 | 1140 | 小黒 | |||
1215 | 小黒 | 1215 | 熊倉山分岐 | |||
1240 | 酉谷山 | 1245 | 0820 | クイナ沢橋 | ||
1300 | 酉谷山避難小屋 | 0900 | 滝谷林道ゲート | |||
所要時間 | 0420 | 所要時間 | 0300 |