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大血川から酉谷山避難小屋へ
2013/ 6/28〜29


豊富に流れる水とヤマオダマキ


 6月28日(金) 1日目  

  北海道の山から帰ってきて9日間。次に行くところは北岳、それもテント泊と決めていたが、天気予報が好転しない。そうか、雨でも行けるところ、酉谷山があるじゃないかということで、前夕、ザックのテントを取り出してツェルトに取り換え、のんびり目が覚めたら出かけることに。北海道で散財してきたことから高速にも乗らず、大血川に着いたのは10時半近くになっていた。


熊倉分岐先のブナたち

 東大演習林へと続く滝谷のゲートのすぐ先の出水により崩壊した林道は、すっかり工事も終わり静かになっている。そんな静かな空気が上流からマウンテンバイクで下りてくる人で破られる。その後ちょっと間をおいてモトクロスバイクで下りてくる人がいて、バイクを止めて話しかけてくる。「え〜、ここから行ける山があるんですか。」と。フレンドリーな人だった。マウンテンバイクの人も挨拶はきちんと交わし、ジェントルマン。やはりこの国の人はいいね〜、金曜日だというのに、こんなマイナーな林道で遊ぶ人がいて。


ブナ

 林道歩きを終え、クナイ沢橋から尾根に取付いて蒸した樹林帯を休むことなく登り、いっぱい汗をかく。途中一度植林帯に入るが、以前と違って明るい。植林が大幅に間引き伐採されたおかげで、気持ちのいい歩きができる。最近降った雨で斜面を横切る踏み跡は柔らかく、ちょっと踏み外すと崩落しかねないところもあるし、スリップに注意しながら進む。植林地の伐採跡地を過ぎると広葉樹林、その先はブナが旺盛に茂っている。


小黒へ乗る手前

 ブナ林を抜けると熊倉山←○→小黒の分岐に出る。小黒に向かう尾根では北側斜面にブナ林が再び現れこれにガスが流れてまるで幽玄の世界。小黒に出て右に巻き気味にしてそこから下りて再びの登りで酉谷山の頂上に着く。大血川の登り口が標高650m、酉谷山頂上の標高が1,720m。登り甲斐のある標高差だ。


酉谷山北斜面

 これまで、6月下旬の酉谷山界隈を歩いたことがなかったが、緑溢れる好ましい風景である。酉谷山の中腹を登るときに携帯メールが入ったので頂上で確認するが、ここでは圏外となって返信できず、送信予約をすると避難小屋へ下りる途中で送信が完了した。(時には避難小屋内でアンテナが立つこともある。docomo Foma エリアプラスで。)


小屋の水場

 今日の一番の関心事は小屋の水場である。今日は洪水のように流れ出ている。その上、これほど流れ出ているのにコンクリート枡に周ってしまって集めきれていないという水の漏れがない。(どんなに水の流れが少なくても、ゴムシート・樋・置かれた石を触るのは自分で自分の首を絞める行為と同じである。これまでこの水場は渇水期に、人に見られていないからと言って何回も悪さをされ、水が採れなくなっていたのであった。)

 水場が絶好調なのに気を良くして、小屋に荷物を置いたらすぐトイレ掃除を始める。(放置されたこぼし汚れが多いから。雲取山避難小屋のトイレと比べればまだまし。)それでもいつも思うことは、誰かが掃除をしてくれている痕跡はここに泊まるたびに目にする。

 冷やしておいたビールと日本酒を飲み干すと、夕食、そしてコーヒータイム。新聞を読んでもまだ午後5時30分。いくらまったりが好きと言っても時間を持て余してしまう。ということでシュラフに潜り込むと、すぐ意識はなくなっていた。


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