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ヨコスズ尾根尾根〜酉谷山避難小屋〜タワ尾根
2018/ 1/31〜2/1


[1日目]
2018/ 1/31(水)
東日原〜ヨコスズ尾根〜一杯水避難小屋〜酉谷山避難小屋(泊)


ヨコスズ尾根

山には行きたいが、大雪後の野外での農作業が1週間も続いて身体が悲鳴を上げているので、温泉でまったりしつつ雪山を登ろうと、くろがね小屋泊まりの安達太良山を計画していた。しかし、今年2回目の南岸低気圧の接近という予報に恐れをなし、石炭ストーブに温まりながらの雪見酒の目論見は淡くも消えた。


ヨコスズ山

天気予報は一向に定まらず、低気圧は計画の2日目午後に、日本のはるか南の海上を北上するとの最近予報から、復路のアクセスに影響を及ぼさないであろうと思われる奥多摩・酉谷山避難小屋をめざすこととした。それでも、1月22〜23日の大雪で長沢背稜にトレースがなければ相当の困難を来す恐れありと、ネット検索に勤しむ。

あった!1月27日の「東日原〜ヨコスズ尾根〜一杯水避難小屋〜酉谷山避難小屋〜タワ尾根」の日帰りの記録であった。この時期に、就中大雪後の長沢背稜を日帰り装備で歩いた記録のコースタイムをそのまま当てはめるわけにはいかないが、大きな参考となる。


一杯水避難小屋

この記録にはなぜか水のことは書かれていない。1時間以上も滞在した酉谷山避難小屋でカップ麺を食べた画像はあるものの、肝心な情報は伝えられていない。降雪とその後の雪解けを考えると、水場は復活しているかもしれないが、それは楽観過ぎると
水  : 3リットル
ポカリ:0.5リットル
ビール:0.3リットル
日本酒:0.72リットル
の合計:約4.5リットル
の水分を持つ。


酉谷山避難小屋

東日原からヨコスズ尾根を登る。万一のためのビバーク装備、シュラフは−15℃対応のイスカ Air 700SL、エアーマットはTherm-a-Rest Women's ProLite-Plusを持つ。ツェルトはファイントラックのツェルトロング。ツェルトを使うような状況はないことを願うが、シュラフやエアーマットは小屋での安眠にも役立つ。Therm-a-Rest Women's ProLite-PlusのR値は4.2もあり、わざと女性用のものを購入してあったのだった。


酉谷山避難小屋

ところで、日帰りした人のトレースをYAMAP上で見ると、下山までにときどき道を失っている。歩幅は広くガンガン飛ばして歩いていることが分かる。するとどうなるか。持ったはずのスパッツを落としてしまったので、そのトレースをお借りしても、深い雪のところでは靴の中に雪が入ってしまう。おまけに、七跳山を巻く道で脚を取られ90リットルのザックを背負った体が急斜面の崖に落ちてしまった。運よく樹木にぶち当たり止まったが、左手と肋骨を木の幹にしたたか打ってしまった。その後も肋骨に異常は認められなかったが左手は寝ている間に激痛が襲った。折れてはいなさそうで打撲で済んだ。


酉谷山避難小屋

どうにかこうにか、酉谷山避難小屋にたどり着いた。過去の記録を見ると夏場に東日原から4時間で到達している。今回は7時間30分を要している。大きなザック、瓶入りの日本酒、潤沢な水、厳冬期の装備ではたとえ一人のトレースがあろうともこれほどの時間がかかることを身をもって知ったのだった。なお、一杯水避難小屋のノートを見ると、この小屋に一泊し2日目に雲取山に行くと書いていた1月29日の人の足跡は、小屋から少し先に進んだところで踵を返していた。冬期の雪が乗った長沢背稜は、その危険度を倍加させていて、ちょっとした油断で谷底に引き込まれるリスクをはらんでいる。経験上、冬季積雪の場合のお勧めルートはタワ尾根の往復である。

たどり着いた小屋は、トレースの持ち主の足跡のみ、水場は完璧な枯渇、緊急避難者用として篤志が持ち上げたミネラルウォーターは在庫なし、小屋内の温度は+4度と、どれをとっても寒々としたものであったが、フリースのパンツ+ダウンパンツに、ダウンの量の多いジャケットを着用し、小屋に置かれた毛布を借用してぬくぬくの時間を過ごすことができた。


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