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赤石小屋〜荒川岳〜高山裏避難小屋 
(2015/ 8/22〜24)

 2015年 9月20日 ( (2日目の3) 
この日の行程 : 赤石小屋05:37〜06:13富士見平06:14〜07:06北沢源頭07:31〜08:25赤石岳・小赤石岳間の分岐08:31〜08:46小赤石岳08:58〜09:46大聖寺平〜10:18荒川小屋10:31〜11:28お花畑(荒川岳南東斜面)11:34〜12:03前岳12:06〜14:27高山裏避難小屋(テント泊)




ミヤママツムシソウ

 荒川小屋のテント場は、小屋の直下のところがいい雰囲気を醸し出している。まだ早い時間だがここでテント張ってもいかなと思わせるほどの感じのいいところである。そんな思いを振り切って小屋の裏を登り、トラバースして前岳のお花畑に向かっている途中に振り帰る荒川小屋のロケーションは秀逸だ。

 



水場付近から荒川小屋を振り返る

 鹿の防護柵を越え、前岳と中岳の分岐へコツコツと標高を稼ぎながら登る。中岳へはスルーして前岳へと進むと、前岳頂上には若者が数人いたので、頂上標識を横目にしただけで前岳からのガレキの大斜面へと進む。前岳の西斜面は大崩壊の様相を呈していて、少しばかり注意を要する。 


前岳から先に進むと ガレ

 前岳から先はこれまで歩いたことがなかったので、想像では稜線をサクサクと歩けるようなイメージだったが、実際は崩壊が著しい危険ゾーンであった。そして、ここがこれほど稜線とは離れたところを下降するとはつゆ知らず、ガレキの大斜面を延々と下りるのだった。その途次、大きなザックを背負った若者に出会った(12:20)。聞くと北岳からの縦走で、最終目的地は光岳とのことであった。南アルプスの稜線を歩くと、このような登山者に少なからず出会うが、夢があっていいなぁといつも思うのである。


左奥に前岳

 青年は、私が蝙蝠岳に向かう途次であることをしると羨ましがるのであった。そうかな?北岳〜光岳のテント泊縦走のほうがよほど夢があると思うけれど・・・。そのガレ場を下り切ったところの樹林帯で次に出会ったのは、今日、鳥倉林道をテント泊装備で上がってきた青年だった。(13:00) 青年は少し疲れた様子でタバコをくゆらせていた。
 「今日はどこまで行くの?」
 「荒川小屋へ行く予定でしたが、疲れちゃってもう動く気がしません。中岳避難小屋まで行ければ・・・。」
 「中岳までここから2時間、荒川小屋までプラス1時間だから頑張りなよ。今日は中岳避難小屋も混雑するよ。」
 「こんなに大変だとは思いませんでした。」
 「おじいさん(老少年)がこうやって頑張っているのだから、プラス1時間頑張って、いいテント場でゆっくりしたら。」
 「分かりました。なんとか荒川小屋まで行ってみようと思います。」


ガレの大斜面

 次に出会った青年は、山伏峠小屋から登ってきたという人だった。
 「これから中岳避難小屋に向かいます。四国からくる3人とそこで落ち合うことになっています。」
 「3人の登山口はどこなの?」
 「椹島ロッジです。今日の朝一番のバスで上がってくることになっています。」
 「それでは、中岳避難小屋で落ち合うのは無理じゃないの。12時間以上のコースタイムだし、早朝の臨時便に乗れたのならまだしも、8時の定時の便でならちょっと厳しい話だと思わないと。3人と連絡を取ってあなたの今晩の宿は中岳避難小屋、3人は赤石小屋にしてもらうなどして、落ち合うのは明日というのが順当なところではないのかな。」
 「そうですね。いいアドバイスをいただきました。」


ガレを下りると低木帯 標識に従って左に折れる 高山裏避難小屋が見える

 次にスライドしたのはトレランおじさんだった。背中に背負っているのは小さなザックで、水と少しの食料でも入れている程度の大きさの物であった。着衣も半袖に短パンである。個人がどのような装備であろうが服装であろうがそれは、個人個人のやり方である。しかしこの時間で、ここで会うということは、そして幕営の装備はないと思われるザックの大きさからは、この人はどこかの避難小屋か営業小屋に潜り込むのであろう。汗だらけの姿で・・・。


高山裏避難小屋の水場は遠いのでここで汲む

 遠くに高山裏避難小屋が山の襞の先に見える。まだまだ先は遠い。次に出会った人は単独の男性であった。
 「これから先に岩場を下りるところがあって、濡れていて滑りやすいので気を付けてくださいね。」
 「ありがとうございます。」
 「そこは、こちらから向かうと、岩場を下りますが、下りると左に向かうことになります。」
 「・・・。」
 「実は、私はその岩場を登って左に折れてここへ向かえばいいところを、岩場を登って右の踏み後に入り、3、40分迷ってしまいました。
 「私も気を付けましょう。」

 そうか、迷いやすいポイントのようだ。そう思って岩場に臨む。岩場を下り切って振り返ってみると、なるほど右手に進んでしまう人もいそうな雰囲気だが、左手にはしっかり、はっきりした本来の登山道が左手に続いている。ここで道迷いするとは・・・。


南アルプス特有の風景

 この付近は、南アルプス特有の雰囲気がある森林帯の中に登山道が付けられている。水場が登山道脇にある。高山裏避難小屋にも水場があるということだが、小屋から少し下りることになっているようなのでここでたっぷりと2日分の水を汲んでいく。これは正解であった。小屋から水場までの往復には20分前後かかっているようだった。


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