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前穂高岳〜奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳
テント泊縦走(1日目)

2016/ 8/ 7〜9


重太郎新道から ジャンダルム


 8月 7日 (1日目)  
この日の行程:上高地〜岳沢〜前穂高岳〜奥穂高岳〜穂高岳山荘


上高地 梓川支流

 今から四年前、2012年8月23日槍ヶ岳に登って、24日に奥穂高岳に向かい穂高岳山荘でテント泊をした。翌25日に穂高岳山荘から白出沢を下りる予定で北アルプスの登山を計画したものの、経験・装備の不足がありながら間違ってジャンダルムに登って西穂高岳まで歩き通すことができた。3日目のその日、奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳〜西穂山荘の間を11時間かかったが、事故なく無事通り抜けることができた。(その時の記録は→こちら
 ジャンダルムは、国内一般登山道の最難関ルートと言われているとおり、このルート上では毎年多くの人が命を落としている。 


前穂高岳〜奥穂高岳〜ジャンダルム〜天狗岳〜間ノ岳〜西穂高岳全景 (カモシカ立場)

 前回、ジャンダルムに入った動機は、年配のご夫婦が飛騨沢から槍ヶ岳に向かっているときにザックにヘルメットを括り付けていたので「どこを歩くのですか。」と尋ねると「ジャンダルムから西穂高岳を歩く。」と言ったことに触発されて、何の準備・予備知識もなく勢いでジャンダルムに登ってしまったのだった。


紀美子平

 2012年にジャンダルムから西穂高岳に抜けきったときの感想は「無事に歩くことができたが2度とジャンダルムには登らない。」というものであり、それ1度きりの経験で十分だった。あれから4年の年月が流れ、もうすぐ66歳になろうとしている。あの時は金沢ハイキングクラブ(KHC)の4人の皆様におすがりしなければならなかった。そのうち好山病日記のZAWAさん、雨にも負けず山歩きのSNOOPYさん、一度きりの人生 楽しんでいこう!sinmyoさんの御三方が当日の記録を残されている。


紀美子平から前穂高岳を見上げる

 日が経つうちに、2012年のジャンダルムは「自分で登ったんじゃない。」ともやもやとした消化不良のような思いが募るようになった。2015年の夏山は、北戸蔦別岳〜幌尻岳(2泊)、白馬岳〜針ノ木岳(4泊)、北岳〜間ノ岳(2泊)、茶臼岳〜光岳(2泊)、赤石岳〜蝙蝠岳(5泊)など、好き放題に休みを取って遊んだが、やはりジャンダルムのことがもやもやしていた。 2016年になって(精神的肉体的に)比較的自由な身になったが、連続した休みを取れない環境に身を置いた。夏山も長くて2泊が精いっぱいだ。「そうだ、テントを担いで『ジャンダルム』を歩くしかない。」


奥穂高岳・吊尾根 南陵ノ頭付近で

 今回はジャンダルムを計画する時間的余裕があったので、持ち物を峻別する暇(いとま)が十分にあった。ザックはOSPREY VOLT(70リットル)を使い、前回同様テント泊とした。ヘルメットには日焼けから頸部を守る「サンブロックスクリーン(日除け)」を取り付けた。日本酒(2缶)と発泡酒。スタミナ補給用としてグレープフルーツ2個とトマト2個。食事は自炊で、1日に必要な熱量を摂取できるような内容ではなかったものの、オイルサーディンで油分とたんぱく質を摂ったことが体力の維持につながったのかもしれない。


奥穂高岳頂上手前で

 1日目の前夜、花火大会を最後まで見てから関越自動車道に乗ったので、沢渡バスターミナル近くの「ともしび」の駐車場に車を入れたのは午前3時半頃だった。7時ごろまで寝ようと思っていたが、睡眠時間1時間で目を覚ましてしまった。タクシーの運転手さんが上高地へ行く登山者を取りまとめているので、着替えを待ってもらってからタクシーに乗る。同乗した3人は三重県の若者で、今日は槍沢(ババ平)まで行くと言う。


奥穂高岳から

 早朝にもかかわらず上高地には大勢の観光客がいる。避けるようにして河童橋から岳沢に入る。途中、小さなザックを背負い休み休み歩く中年男性と話しを交わして先行するが、2日目のジャンダルムの際この男性が先行していて、「あなたがジャンダルムに行くと言ったから、私も来たんだ。」と言われた。そのときは一瞬、軽く見られたのだなとの印象を持たざるを得なかった。
 岳沢ヒュッテで小休止し、重太郎新道に取り付く。紀美子平で再び休むが、前穂高岳はスルーし体力を温存し、奥穂高岳まで一気呵成に歩き通す。


穂高岳山荘から見る前穂高岳北尾根とマイテント

 穂高岳山荘にはそれほど早い時間に着いたとも言えないが、テント場には十分にスペースがあって、周りの景色や隣のテントの人との会話を楽しみながらゆっくりテントを設営する。この日、小屋は満杯であったそうだが、それでも一人に一組の布団があてがわれたとのことだった。ザックに入れてきた発泡酒は温かくなっていたが疲れた体には十分にうまい飲み物であった。明日のジャンダルムは午前5時の出発を予定している。日本酒を飲んだら即死であった。


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