HOME ][ ][2の1 ][

前穂高岳〜奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳
テント泊縦走(2日目)

2016/ 8/ 7〜9


2012年の間ノ岳(snoopyさんから提供いただいた画像)


2016年の間ノ岳(向かいは天狗岳)

上掲の2枚の画像を見比べてみると、 [間ノ岳]と書かれた岩の左側の岩塊の有無に相違がある。
2012年は岩の間を抜けたのだが、2016年は山型の岩でそこは塞がれていたようだ。
こと左様に、この山域、岩稜稜線では岩は動いているものと見てよさそうだ。


 8月 8日 (2日目の後半)  
2日目の行程:穂高岳山荘〜奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳〜西穂山荘(テント) 


天狗岳のピークから ジャンダルム

 ジャンダルムを離れ天狗岳に向かう。天狗ノコルは天狗沢に道が分かれる。鎖が付けられた岩場を直登する。スタンスが広く多少の懸垂が必要なところがないでもない。あとは浮石を抱かないよう淡々と登る。要は闇雲に岩をつかんで力を掛けるのではなく、確認しながら力を掛ける。今回のジャンダルムで一つ勉強になったことがあった。誰もが手を掛ける岩の岩角には必ずと言っていいほどコバエが群れているということである。人間の皮膚が付着し、これをコバエの餌となっているようだ。そのような岩角は手垢で汚れ黒ずんでいる。


逆層スラブ(天狗岳)

 天狗岳で少し休憩する。山でも生野菜または果実が欠かせない。(重いのにザックに入れてきた宝物の)グレープフルーツを食べてリフレッシュする。ポカリスェットもアミノバイタルも必需品で欠かせない。そして逆層スラブへ。岩場が逆層となっている区間は鎖がフィックスされているから、余分な心配はいらない。 


天狗岳/逆層スラブ 奥がジャンダルム

 心配はいらない・・・。そう心配はいらないが、振り返って天狗岳南斜面=逆層スラブを振り返ると、油断は禁物のようだ。ダイナミックな風景が続く。


間ノ岳

 逆層スラブを下り切ると、間天ノコルとなる。休むことなく(自分にとっての)難関の間ノ岳の岩場に臨む休むことなく取り付く。あれ〜、前回どこかを巻いて登ったのかなぁと思ったが、それは取り付きの話であって、あとは背中を忠実に登っていく。登山地図に「垂直の岩場にクサリ」とあるように、傾斜角度はその表現に近くて正しい。しかし、足場はしっかりしているし、岩角をホールドするにも不自由がない。間ノ岳のピークから何人かが下りてくるのが見えたから、退避スペースを探す。


間ノ岳

 画像にあるように間ノ岳の取り付きまでの少しの区間の尾根は上高地側を巻く。そして垂直の岩に取り付くことになる。


間ノ岳

垂直の岩場を


間ノ岳

下りて来る人がいる。


間ノ岳と書かれた岩

 ようやく間ノ岳に着く。前回は「間ノ岳]と書かれた岩の裏側に「生花」が置かれていた。そんな見分があったから、奥穂〜ジャン〜西穂を歩き切っても、怖さが残っていたのかもあしれない。今回は「間ノ岳」と書かれた岩の周囲の様相が変わっていた。岩が動いている。間ノ岳ではほんの2〜3分、過去を振り返っただけであった。


赤石岳 奥に西穂高岳

 間ノ岳を下りても、赤石岳〜西穂高岳〜ピラミッドピーク〜独標と続く。もうそれほど難しいところはないと安堵してもいいが、このルートを歩いた後に、山岳ガイドさんが7月17日に西穂高岳で滑落し死亡している。前回、ジャンダルムから西穂高岳を下りる途中、若者数人が登山道をわざと離れじゃれ合っていたから、怒鳴りつけてやった。「落石するし、危ないじゃないか〜。」と。


西穂高岳

 間ノ岳を過ぎると赤石岳だ。名前だけは南アルプスのようだが、南アルプスの間ノ岳と赤石岳にはそんなに難しいところはないはずだが、それでも死亡事故は発生している。そんな山で日傘を差している人が見える。 


西穂高岳(日傘を差す女性)

 何を考えてのことだろう。男か。その傘人間がこちらに向かって下りてくる。すれ違うと女性だった。すれ違う際は傘を閉じていた。振り返るとまた傘は差していない。ジャンダルム方向に向かっている。きっと強い紫外線には弱い人なのだろう。


ジャンダルムを振り返る

 前回もそうだった。西穂高岳から西穂山荘までの道のりは長い。かといって侮って歩くというわけにもいかない。登山道には人が溢れている。西穂高岳の手前でトレッキングポールを出す。膝が重たく、脚がきびきびと上がらない。それでも2時間のコースタイムのところを1時間30分で下りてきた。それもこれもただただ冷え切ったビールを飲みたいがためであった。


西穂山荘テント場のmy tent

 西穂山荘は周年営業の小屋である。水は沢からポンプでくみ上げているそうだ。1リットル@200円なのでビールよりは相当安い。しかし足許を見ていないか。観光地化した山小屋の常だから仕方がないか。テント場は満足に手が入れられていない。
 ベンチでビールを飲んでいると、隣の男性が大きな声で延々と携帯電話で話をしている。このようなシチュエーションに身を置くことは得意な方ではない。しかし、お昼のお弁当を分けてくれ、山の話ができたのでまぁ良しとするか。


HOME][ ][ 2の1 ][