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最終日

ピパイロ岳〜1967峰〜戸蔦別岳〜七ツ沼縦走
2004/ 7/15〜18


カール分岐から下降する崖壁のチングルマ

 4日目 (7月18日・

 午前3時には起きて,まどろみながら出発の準備を始める。テントの下,脇には水が流れ,換気口の縛りかたが悪かったことから,インナーの外側を伝わって縫い目から雨水が染み込んで,加えて水とグランドシート上を流れる水がテント内を濡らし,このままでは水浸しになること必定なので,支度を急ぐ。テント内でレインコートを着込み,登山靴を履いてザックを外に出して最後にテントを畳む。雨の中での撤収は,要領よくやらないとたまらない。水を吸ったテント,朝のお勤めの残滓をザックに括ると,いっこうに重量は減らない。(05:15)


イワブクロ

 水場のコルからは緩やかながら登りとなり,最初のコブに立つと伏美岳までの道のりは遠い。伏美岳の頂上の手前で道が2本に分かれ,一方は急な岩場を登る道となるが,これが妙敷山へ別ける道と勘違いし,様子を見に行くが,先は岩とハイマツを分けていかなければならないことから,元の道に戻って,ザックを下したついでに朝食を摂る。伏美岳の頂上は,休憩地点からわずかなところにあって,人はいない。先を急ぐため頂上から下りるとハイマツの先に黄色いテントが見える。(08:00)停滞しているようで,人が動いている気配はないが,声をかけると,男性2人が顔を見せる。話を聞くと1967峰を往復したいが,天候が悪いので食事も摂らず様子を見ているという。 

 1967峰への往復を今から行うのは無理があるのではないだろうか。万一のために備えてテントを担いで行くことを勧める。彼らのテントの周りには空のペットボトルのほかにビールの空き缶が数本置いてあり,本当に当初から真剣に1967峰に登る気があったのか疑わしい。 そのようなことはともあれ,しばし話をして伏美岳の斜面を下ると,天候も徐々に回復してきて,十勝側の空が広がって見えてくる。


カンラン岩に咲くヨツバシオガマ

 里の天候がよいものと見え,次々に登ってくる人と会うようになる。最後に会ったのは,縦走装備の若い女性2人で,「始めてテントに泊まるのですけど,注意することはありますか。クマは出ましたか。食料は気の枝につるしておくのですよね。」と聞く。クマもいなければ天候も回復し人も多く入っており,テント泊になんの心配もないからゆっくり楽しんできなさいと答えると,「安心しましたぁ〜,楽しんできます。」と言って明るい返事を残して登って行く。中高年の登山ブームの中,若い人が登山道にも見られるようになってたのもしい。クルマユリが満開となった急な傾斜の雨上がりのぬかるんだ登山道を,何度か滑りながら順調に下り,すっかり晴天となった登山口に無事着いて,ぐしゃぐしゃとなったすべてを脱いで着替え,大きく一息ついた。(10:00)この長丁場の縦走では耐えに耐え歩いたが,往路の日高の素晴らしい山並の展望を楽しむとともに,体脂肪の激減(22%→15%)という副産物がもたらされた。 


クルマユリ


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