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雨が降っても オロセ尾根から酉谷山避難小屋へ
2011/ 7/29〜30


 7月29日(金) 1日目  

※1 アブ・ブヨ・ヌカカが非常に多く発生しています。防虫ネットは必携です!
※2 オロセ尾根・タワ尾根に(正規の)登山道はありません。自己責任が大原則です!


八丁橋

 前線が新潟〜福島に張り付いて甚大な被害をもたらしています。レーダー雨量でチェックすると、相変わらず奥多摩の山を境に秩父側は激しい降雨が続いています。こんな時は普通は山登りは中止するのでしょうが、今回は目的があったので、雨だからこそ山に入ります。それは、新しく買ったAXESQUIN アクシーズクインのレインハット(GORE−TEX PACLITE RAIN HAT)とレインスーツ(GORE-TEX MEN'S SUPER PACLITE STRETCH RAIN SUIT)を高温多湿の山行で着用し、発汗による影響の程度を知ることでした。


孫惣谷林道の取付き

 それというのも、これまでNORTH FACEのレインスーツを2着使ったのですが、すぐびしょびしょになってしまうから、今回、三度目の正直でアクシーズクインの製品に賭けたのでした。そのきっかけは、2011/7/1〜2に北岳に登った際に雨に降られ、大樺沢の梯子の急登で重いザックを背負い、発汗が著しい条件でアクシーズクインのレインハットを使ったことでした。その時は、シームのところを除きまったくと言っていいほど汗が溜まらなかったのでした。いままで使っていたORのレインハットならば、間違いなく頭はサウナ地獄となっていたはずでした。そんないきさつから、アクシーズクインのレインスーツの性能を確かめるためにも、雨マークでの登山が必要だったのです。


オロセ尾根は看板を右に登る

 さて今回は、地図には記されていないオロセ尾根を登ることにしました。オロセ尾根からタワ尾根に上がり、あとは勝手知ったるウトウノ頭から長沢背稜を酉谷山避難小屋へと辿ります。出発地点の東日原に車を停めます。運よく?雨が降っていますので、さっそく合羽を着こみます。いくらアクシーズクインのレインスーツが15デニールのゴアテックスを使っているとはいえ、標高650mの東日原では暑く感じます。そのまま日原林道へ向かって歩きますが、途中で雨が止んで日差しが出てきたので、上衣だけは脱ぎました。日原川に沿って林道を八丁橋から孫惣谷林道に入ります。この林道は八丁橋でゲートに鍵が掛けられ「通行禁止」となっています。したがって、遠慮がちにくねくねした林道を歩き、標高約750mほどのところに架けられた階段を昇って尾根に取り付きます。


草花はなくとも・・・

 よく北アルプス3大急登とかバカ尾根とかいいますが、オロセ尾根だって負けてはいません。地図にも載っていない尾根なのに篶坂ノ丸までの標高差が約700mもあるのです。さらに酉谷山までは200m登らなければなりません。レインスーツの下衣(ズボン)だけは引き続き着用して登ります。だんだんと天気が良くなってくるので、木に引っ掛けて破くのももったいないので、200mほど登って休憩した際に下衣を脱ぐことにしました。登山口からもう1時間30分以上も履いていたのに、それほど暑さも感じませんし、脱いでレインスーツのズボンに水分が付着しているということもありません。ということは、このスーツは、思った通り雨中の山行の着用に耐えうるとの結論に達したのでした。


タワ尾根・ウトウノ頭の手前から見る酉谷山避難小屋

 しばらく歩いて再び休憩します。この休憩ではおにぎりと果物と野菜の昼食です。ラジオを聴きながら休んでいると、人の気配がしました。単独の男性で、一石山神社から金袋山に登りオロセ尾根を下ってきたというのです。なんと「通」な人なんでしょう。というより、雨マークの平日にここを歩く人がいること自体が驚きでした。この人によると、モノレールが上部から金袋山まで敷設されているとのことでした。


新しい頂上標識は丁寧に作られていました

 ネット情報によると、オロセ尾根を登って水源管理の黄色い標識を見て水平道から離れて尾根を直登するとのことですが、「直登」と言う言葉のイメージでは道なき道を登って行くがごとく理解していました。しかし、その後も綺麗に手入れされた道をジグザグに登ります。ジグザグがなくなってしばらくするとまた前方から人が数人歩いてきます。この人たちは東京都水道局の人でした。やがて道は山肌を巻くようになって篶坂ノ丸方向からだんだん離れて金袋山寄りに行くようでしたが、それに従って歩きます。


そういえばこの花もあった

 そろそろ金袋山(1325m)の北側当たりとおもわれるところの小さな支尾根に、赤と白のテープが2本巻かれていたので、足跡は判然とはしなかったのですが、タワ尾根に出るだろうと左に折れて支尾根に入ります。途中菓子袋が落ちていたので、誰かは歩いていると少し安心して斜面を登るとタワ尾根に出ます。それからほどなくしてから篶坂ノ丸に着いたのでした。


唯一水場とネット内に咲くヤマオダマキ

 タワ尾根は秋や冬にしか歩いたことがなかったので、自然林や尾根に咲く花が楽しみでした。しかし、結局は酉谷山避難小屋まで何一つ花を見ることはありませんでした。それほど鹿の食害が深刻というより、絶望的だということなんでしょう。
 奥多摩ビジターセンターは、7月5日付け次のような御触れをホームページで流しています。

「秩父多摩甲斐国立公園における幕営についてのお願いです。
 昨今、一部の利用者によりキャンプ場以外にテントの設営(幕営)がなされ、植物の生育に悪影響を与えている等の情報・苦情が寄せられています。国立公園内におけるテントの設営は、一部地域やキャンプ場等を除き、原則として自然公園法の規制対象となっています。テントの設営はキャンプ場等で行ってください。公園を利用される全ての方が気持ちよく自然を楽しむことができるよう、ご理解ご協力をお願いします。」


水場のホタルブクロ(このほか3種類の花が咲いていた)

 霧の立ち込めた長沢背稜は乙なものです。登山道に鹿の足跡はいっぱいありますが、さすがにこの天候では歩く人はいないようです。今日は、酉谷山避難小屋は独り占めの予感です。ところで、タワ尾根に乗ってからは小屋まで切れることなくアブにまとわりつかれひどい目に遭いました。アブは人の周囲を飛び回って射す隙を狙っているので、トレッキングポールをぐるぐる回し、1匹に打撃を与えましたが多勢に無勢、防虫ネットを被って歩くことにしました。また、小屋に入ってもガラスにぶつかりながらも攻撃しに来るし、水を汲む際にTシャツの上からと裸足の足を数か所刺され、痒くて夜中に目を覚ますことになってしまいました。

 
この時期は特に日本の牛肉を食べましょう


 小屋の水場にビール、日本酒、ワインを冷やしてから、トランギアのクッカーでお米を炊きます。酉谷山避難小屋の水を使います。おかずは、今や売られることも稀になった東北・岩手産黒毛和牛のお肉です。


往路    復路   
 着  地点 発  着  地点  発 
   東日原P 0905     酉谷山避難小屋 0735 
1010   八丁橋 1010 0820  七跳尾根分岐 0820 
1040   梯子 1040  0850   ハナド岩 0900 
1130  看板 1130  0925  一杯水避難小屋 0940 
1215  タワ尾根 1215  1030  滝入ノ峰 1030 
1235  篶坂ノ丸 1235  1125   東日原  
1315   ウトウノ頭 1325    
1410  長沢背稜 1410     
1500  酉谷山避難小屋        
 所要時間 0555 所要時間   0350

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