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槍ヶ岳がだめなので 酉谷山避難小屋へ
2013/10/11〜12


タワ尾根からの酉谷山と避難小屋


 10月11日(金) 1日目  

 2013年の雪が降る前の最後のテント泊は、10月11日から14日までの2泊3日で、槍ヶ岳と決めていた。槍ヶ岳のテント場は日本一の高所のテント場にして、かつ、場所の確保が難しいテント場でもある。1泊目に南岳にテントを張り、天狗原に下りて紅葉を愛でつつ前進し、ヒュッテ西岳から東鎌尾根を槍ヶ岳へ向かう計画をしていた。しかし、天気予報は芳しくなくなりつつあり、ついに出発前夜のヤマテンの御宣託はというと「11日から13日午前中にかけて、稜線では荒れ模様の天気が続く見込み。12日午後は稜線で吹雪く。強風による転滑落、テント倒壊、落雷。縦走は極めて厳しい条件」と絶望的に。そこで晴れマークはどこかと言うと関東平野のみなので、いつもの酉谷山へ行くのが順当だろう。


台風の余波?一石神社からの急登りで

 ということで、タワ尾根から入る。北アルプスの荒れ方とは違って、タワ尾根には日差しがたっぷり差し込み暑いのなんのって、汗がしたたり落ちる。体も重く牛歩ではあるが、休みはあまり入れず淡々と登って行く。え〜、まだここかよと言った歩みながら、いつの間にか長沢背稜に合わさることに。長沢背稜を進むと数人の方が作業をしている。崩壊地は脚の置き場が確保され、これまで足場が悪かった露岩が均され、崩壊気味だったところは大きく改修され石を積む作業が進行中であった。


長沢背稜の慢性崩壊地

 今日は、一日中調子が上がらなかったが、小屋でのビール・日本酒だけを楽しみに先へと進む。登山道が落葉松の中に入ると小屋はもうすぐ。木々の間からようやく小屋が見えると、先着者が毛布を干しているところであった。今日の小屋の独占はないのかと多少モチベーションを下げつつ小屋に入ると、もう一人の単独者がザックを下ろしたところであった。


細い登山道が整備され

 今日は調子が上がらないということが出発前から予想されていたことから、東日原から鍾乳洞までの間はバスを使うこととした。バス停には、今朝一杯水避難小屋から下りてきたというインターナショナルスクールの生徒と教師10名ほどが奥多摩駅行のバスを待っていた。一杯水避難小屋の同宿者について聞くと、今日酉谷山に泊まるという人が一人いたとのことで、この方が酉谷山避難小屋に先着していたのだった。


オヤマノリンドウと酉谷山避難小屋

 この方は、今年栂海新道を縦走したとのことであった。昨年栂海新道を親不知から白馬鑓ヶ岳へ抜けた時の「アイゼン不携帯・先行者へのキックステップ依頼、対向してくる女性からのキックステップ情報」について話すと、そんなことを書いているホームページを見たよとのこと。(「そんな不用意な縦走をしたのは私です。」と白状した。)


酉谷山避難小屋

 ビールを飲み、日常の量以上の日本酒も飲み終えるころ、本日4人目にして最後の人が到着する。それぞれ夕食を作りながら山の話に明け暮れているうちに陽も沈んでくる。小屋内の温度は20℃近くで快適至極。それぞれの寝息が入眠剤となる。


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