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ヨコスズ尾根から酉谷山避難小屋へ
2013/ 5/24〜25
きんさん
■ 5月24日・土曜日 (1日目) ■
前回酉谷山からの下山時に、ヨコスズ尾根を1289mから倉沢に下りた際、そこがすっかり廃道化していて著しい倒木帯もあったことから、そこを潜り抜けるときにキャップを落としたらしい。そのキャップは既に廃番となっているもので再びの入手が難しいことから回収に向かうが、このルートを歩くだけでもたいへんなこと、そう簡単に見つかるわけがない。ということで、1289mからヨコスズ尾根に復帰し、一杯水避難小屋に向かう。
ぎんさん
その間に、思わぬ出会いもあった。まず、きんさんとの出合いである。ヒメジョンかなと思って通り過ぎようとしたが、ちょっと花が黄色ぽかったのでよくみるときんさんだった。まさか、きんさんがこんなところに佇んでいるなんて夢にも思わなかったので、驚きが大きかった。周囲をよく見渡せばなおのことよかったのかもしれないが、きんさんとの逢瀬を知られてはとの思いから、数枚画像に納めて足早に立ち去った。そうか、このルートは人はあまり通らなかったのだったんだっけ。なお、きんさんは絶滅危惧種となっている。
ヤマツツジ
そんな配慮をしながら先に進むと、今度はぎんさんが待っていた。ぎんさんは次から次と現れて、この界隈には意外と多いとの印象を持った。きんさんぎんさんとの出会いの後は、新緑を愛でながら淡々と辿る。いつもと同じ重さのザックは、今回はとても重く感じ、足取りも重い。メインルートに出て、それからどうにかこうにか一杯水避難小屋に到着する。最近の酉谷山避難小屋の水場情報をチェックすると、枯れそうな雰囲気の出方だということなので、一杯水で少し汲んで担いでいこうと水場に足を向ける。ここはまったくの枯渇状態で、水源のある上部を見ても水は1滴も出ておらず乾燥していた。
ヨコスズ尾根
そんなことから小屋での昼食に際しては水の使用をひかえ、酉谷山で水が採れないときに備える。残りは1.2リットルほど。まあ何とかなるさ。だめだったら旧酉谷小屋に下りてビバークもよし。ヤシオツツジを見るために三ツドッケに向かう。いつもなら三ツドッケへ向かう斜面の北側にたくさんあるのだが、今回開花が確認できたのはたったのシロヤシオツツジが2本で、花もまばらだった。「アカ」はもう花期が終わっていて咲いているものはなかった。
ギンリョウソウ
今年は裏作ということで、3年目の2014年に期待するしかない。それでも新緑はことのほか美しく、これを愛でて背稜を歩くだけで値千金である。向かいから日帰りだという青年に会う。水場について聞くと「ほとんど出ていない。」とのことであったが、何とかなるだろう。それより、小屋に何人いたか聞いたほうが精神衛生上よかった。
一杯水避難小屋
背稜に新しい足跡はなかったし、あとは雲取山方面からの登山者だけ。重い体に鞭打って七跳山をやり過ごし、酉谷山への分岐で雲取山からの足跡を確認すると、先ほどの青年の物だけのようだ。今夜は小屋を一人独占かと分岐から下る。すると小屋の戸が開け放たれ、戸の前に複数の登山靴が干されている。これでようやく酉谷山避難小屋周辺でのビバーク決定かと小屋をのぞく除くと、横浜からの4人のメンバーであった。この人たちはさっそく大きくスペースを空けてくれ、今夜の寝床が確保できた。
シロヤシオツツジ
いずれも歴戦の勇士のようで、士気高く、かつ人徳の篤い人たちだった。山の話、花の話に及ぶと、中に「カムエク」に2回も登ったという猛者がいた。猛者と言っても妙齢の女性であるが、今年もすでに「カムエク」を八ノ沢から登るとのことであった。この人はたとえば「エサオマン」と言って通じる日高フリーク?で、日高好きとしては頼もしく、話をしているうちに自分もカムエクに登るような勘違いを覚えた。(「カムエク」→「カムイエクウチカウシ山」、「エサオマン」→「エサオマントッタベツ岳」。なお、リンク先は管理人の登山記録です。)
ミツバツツジ
4人チームのアルコールタイムには、貴重な野菜スティックの差し入れ、夕食では、もう一人の女性が炊いたご飯とカレーの差し入れをいただいてしまった。お蔭でビール2缶以上は進まず、自前の夕食作りも必要なかった。それではと、ほとんど枯れて流れのなくなりかけていた水場からの取水の努力をする。1時間半ほど要してどうにかポタリポタリの流れから極細ながら水流が途切れることのないように改善を図ってみた。水源からの流が極めて細いことや、昨年の排水升の工事がなんらこのようなことを考慮されず行われて流れが悪くなったのも大きな原因である。ただ、排水升の周囲に水が回り込んでなく(漏水なく)て、ゴムシートから水が流れ出て来ない時はあきらめるしかない。
キジムシロ
小屋に着いたとき、4人チームはハンガーを使っていないのに、見覚えのある帽子がハンガーに掛かっている。それも2週間前に自分が吊るしたままの姿で・・・。倉沢で落としたとばかり思っていた愛用の帽子(廃番となって今は入手不可能)があったなんて。そのことに気付かないで下山したのもおかしな話だ。
酉谷山避難小屋
まだ陽は暮れていないが4人さんチームは熊倉山へ、自分はアズマシャクナゲの花見とほていちゃんとの対面を期して芋ノ木ドッケから三峰のともにロングコースなので早めにシュラフに潜り込む。熟睡後、夜半に目覚めるとまぶしいほどの月夜であった。
往路(1日目) | 復路(2日目) | |||||
着 | 地点 | 発 |
着 | 地点 | 発 | |
東日原 | 0900 | 酉谷山避難小屋 | 0545 | |||
1150 | 一杯水避難小屋 | 1225 | 0800 | 長沢山 | 0800 | |
1300 | 三ツドッケ | 1305 | 0940 | 芋ノ木ドッケ | 0940 | |
1330 | ハナド岩 | 1330 | 1040 | ドッケ分岐 | 1055 | |
1405 | 七跳尾根分岐 | 1410 | 1235 | 休憩舎 | 1235 | |
1510 | 酉谷山避難小屋 | 1300 | 三峰 | |||
所要時間 | 0610 | 所要時間 | 0715 |