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 八ヶ岳/本沢温泉から横岳へ
ツクモグサ/イチヨウラン/ホテイラン/ベニバナイチヤクソウ
 2009/ 6/ 9〜10

2008/6/のツクモグサ
2007/6/のツクモグサ
2006/6のツクモグサ
日高・ピパイロ岳のツクモグサ


 1日目(6月9日)


この日の一番いいツクモグサ

 キタダケソウを見に行こうとしたが、バスが歌宿から先まで行くのが6月15日以降だということで、次善の策として横岳にツクモグサを見に行くこととする。この時期、ツクモグサを見るのなら日高山脈ピパイロ岳が最高なのだが、諸条件がそれを許してくれない。午後11時高速に乗ってそのまま稲子湯まで入るが時はすでに午前2時半であり、林道ゲート前で爆睡するが午前5時にはザックを担いでカラマツ林の中の登山道を歩く。

 1時間少も歩くと山の上から「しらびそ小屋」で焚く薪の煙の、懐かしい匂いが流れてくる。しらびそ小屋のワンちゃんが盛大に吠えると、小屋の女将さんが「ごめんなさいね。」と謝って出てくる。みどり湖のクリンソウは咲いているが、登山道の対岸にあるので先に進む。今回の目的は、ツクモグサクとイチヤクソウ、それに露天風呂の「天上の湯」とクリンソウである。そのクリンソウは遠めになんとか拝むことができたのだが、ホテイランはおろかイチヤクソウも見つからない。


寄り添って イチヨウラン

 やはりホテイランを見るには定番の美濃戸山荘から登るのが良かったのかなとわずかに後悔するが、そのうち早朝のまだ暗い登山道脇の樹林の中のイチヨウランとたまたま目があった。2株のイチヨウランは寄り添って咲いている。その近くを見るとまだ蕾のイチヨウランもあるし、幼苗も数株見つかる。すっかりイチヨウランに魅せられて重いザックもなんのその、本沢温泉には午前8時に着いてしまった。テントを設営し、戻ったらすぐに一人宴会ができるように準備して夏沢峠に向かう。

 夏沢峠から硫黄岳への稜線に出ると、西からの風が強く冷たい。岩陰にはヒョウが溶けずにあり、ツクモグサは相当なダメージを受けただろうことが想像される。硫黄岳山荘周辺のコマクサやホソバノウルップソウはまだわずかに芽を出したばかりで、稜線に花はない。カニのよこばい周辺にツクモグサがあるがまだ蕾は固く、ヒョウに痛めつけられていて変色している。冷たい風が吹き付ける稜線ではあるが睡魔には抗し難く、登山道で20分ほど寝入ってしまった。

 
黄色い点々はツクモグサ/段々畑で

 横岳南斜面も三叉峰のツクモグサも蕾は小さく、このまま開花しないで終わるような感じのものばかりである。開花株もわずかにあるが、茶変していて見る影もない。それにしてもピパイロのツクモグサは大株で花も大きく豪勢だったなぁと、今は気軽に行くことができない日高の山のツクモグサが懐かしい。赤岳方向を見ると数人が斜面に取り付いている。たぶんツクモグサを見ているのだろう。まだ昼を過ぎたばかりでありこれまでその場所(日ノ出岳であろうか)のツクモグサを見たことがないので、様子を見ることにする。

 そこは北斜面の段々になったツクモグサ畑で、ロープが張られている。そには5人の男女がいて、デジカメや携帯電話をかざしてツクモグサを撮影している。ツクモグサ畑で這い蹲って写真をとっている人はチベット族の人だろうか。五体投地を地でいっている。盗撮と言う言葉があるが写真の女性はこの後、五体投地しながら上部に向かってツクモグサを踏みしめながら撮影(「踏撮(とうさつ)」)していた。あ〜〜、匍匐(ほふく)前進だけは止めておくれ〜。

 
硫黄岳を背にした「日本最高所標高2150m雲上の湯」

 三叉峰で昼食後、一気に本沢温泉まで下りる。朝方テント場使用料(600円)を払ったときに、露天風呂(600円)にするか内湯(800円)にするか迷って決めかね後で料金を支払うことにしていたが、途中で会った関西弁のおばちゃんは、「内湯は熱くて熱くてはいれたものじゃなかった。45〜6度はあった。」というから、露天風呂に直行する。温めではあるが硫黄の匂いが強く漂う乳白色のお湯は最高!朝からの11時間30分に及ぶ行動時間の疲れもすっきり爽やかぁ〜と飛散していった。風呂代を払いに帳場に行くと記念入湯券のほか、手作りの栞がもらえた。その後はお決まりのビールですっかり寝入ってしまった。


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