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テントを担いで・・・!
白馬岳〜不帰キレット〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳〜針ノ木岳
 

(2015/ 7/31〜8/ 5)


ウルップソウ 鑓ヶ岳 


 2015年 8月1日の2 金曜日 (2日目の2) 

この日の行程 : 白馬岳頂上宿舎04:26〜06:46白馬鑓ヶ岳〜07:38天狗山荘08:01〜09:44不帰キレット
〜12:37唐松岳〜12:51唐松岳頂上山荘(所要時間08:25)


ウサギギク 天狗山荘への途次

 今日の天気予報も、午後からの雷雨を予報している。空は好き抜けるような青さが続いている。天狗山荘を出て天狗ノ頭を登るのには苦労は要らない。どちらかと言えば稜線からちょっと上がったと言ったような登りである。しかし、実際に下ってみると天狗の大下りと呼ばれているように、どっしりした山容を持つ山の長い斜面をしっかりと下らなくてはならない。


はるか先にキレット

 天狗の大下りを下り終えて2411m不帰キレット鞍部で次の緊張すべきところに備え、腹ごしらえをする。キレットに取付いたら気を抜くことなく、かつ休むことなく一気に進むのがいい。一峰はを越えて二峰を望むと数人が急峻な岩場の崖を下りてくる。あんなところをと思うが、実際取付いてみるとそれほどの緊張を要するところではないが、その先にはしっかりと道が付けられている。そのようなところも岩場にザックをぶっつけたことによって体が振られ滑落したというような事故が例年あるようだ。山のグレーディングで見ると不帰キレットはグレードが高いとされている。そのようなところから緊張感を保持しつつ基本動作をしっかりやれば問題はなさそう。


天狗の大下りの途中で コマクサ

 二峰の岩場を削って付けたトラバース状のところを過ぎると南側に出て、その先の三峰はおろか唐松岳までに日影を得られるところはないので、岩場の狭い道のザックを置けるところでいったん休憩する。二峰の南東斜面はタカネマツムシソウが群落をなして咲いているが、手掛かりをしっかり保持すべき危険地帯でもあるので、これを画像に収めることは遠慮して三峰に進むと、大雪渓から相前後して進んできた若者が追い越して行く。半袖のTシャツを着ていて肌を露出しているので真っ赤に日焼けして皮膚が剥けている。この青年には何度もガンガンと追い越されるが、亀歩きの老少年に追い着かれ追い越されてきたのだった。


キレットを俯瞰する

 二峰を終えて、三峰を見る。もう通常の縦走路になっているが人の姿は先に行った青年しか見えない。三峰の先の唐松岳の頂上には大勢の人が見える。彼らにとってはいまだ鬼門の場所であることは否めないのだろう。その喧噪の頂上で泊まることなく唐松山荘に下りる。今日一日の最後の関心事はテント場が得られるかということと、空いていてもテントを張ることができる好都合な場所の確保にある。


三峰 その先に唐松岳

 唐松岳のテント場は、祖母谷温泉に下りる急斜面のつづら折れの登山道脇の何か所にも分かれている。水やビールを得たり携帯電話を使用し、あるいはトイレの際はいちいちこの斜面を上り下りしなくてはならない。唐松岳の頂上から下りながらテントの張られ具合を見ると第一の狭いコーナーに1人用のテントを2基張れるか微妙なところに既に一張り張られているが、土止めの石を積んだところに格好のスペースがあったので、そこを今夜の宿とする。


唐松山荘と欅平に下りる斜面のテント場

 週末土曜日のテント場は次々と下方まで埋まっていくが、myテントと先客の1人用のテントの間の石積みの上にも2張りが追加された。唐松山荘の玄関には大勢の小屋泊まりの人が受け付けの順番待ちをしている。畳一枚に2〜3人は覚悟しなければならないような情景を見ると、無事にテント場を確保できたことが喜ばしい。この上テント場が確保できなくて混雑の小屋泊まりになっていたら目も当てられない。


テント場から五竜岳

 今回の縦走では、雷雨に遭うリスクとともにテント場が得られないリスクも念頭に早立・早着を心掛けた。名にし負う槍ヶ岳のテント場ではないので、いくら快晴の土曜日であっても条件の良くないスペースであれば何とかなる状況であったのは僥倖であった。ギラギラ照りつける太陽光を遮るものは何もない。テントの中はサハラ砂漠状態であり、小屋の食堂で涼みながら生ビールを飲もうとすると、ビールを売った女性は午後2時までは無料でOKと言い、玄関先で待ち構えている女性従業員は頑なに休憩料として300円の支払いを求める。他の人の記録を見てもケーキセットは900円でそのほかに休憩料が300円だと・・・。料金の設定にはそれなりの理由や背景があるのだろうし、嫌なら世話にならなければいいだけのことではある。ただ、これまでの山の経験からは数少ない、いけ好かない山小屋の一つではある。ロープウェイを使って山に来る夥しい数の登山者や観光客をあしらうには小屋も檻の管理人に徹しなくては事が済まないのは理解できるとしておこう。


唐松山荘直下斜面のmyテント(右上)

 夕陽が傾くのを待って再度のお酒タイムに入り、夕食のころになると急に寒くなってきた。明日の行程は7時間30分、14年前に登ったものの記憶の彼方にある五竜岳とキレット小屋までの道のりである。ヤマテンの予報は「強い寒気が入り、午後から雷雨」と配信された。幸いに小屋泊まりなので降られないうちに小屋に到着すればいい。計画書作成段階では唐松山荘発を午前5時としていたが、午前3時過ぎに起き、午前4時20分に出発することとした。下段にテントを張っていた人の一人は既に出発してしまっていた。 


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