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テントを担いで・・・!
白馬岳〜不帰キレット〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳〜針ノ木岳
 

(2015/ 7/31〜8/ 5)


キレット小屋 


 2015年 8月 2日 (3日目の2) 
3日目の行程 : 唐松岳〜五竜山荘〜五竜岳〜キレット小屋(泊)


五竜岳を下る

 五竜山荘でのつまらない年寄りのたわ言を聞いてつまらない思いをしたが、再び快晴の爽やかな北アルプスの稜線歩きを再開する。五竜山荘から1時間で五竜岳の頂上に着くと、先着者が数人いる。午前8時を少し過ぎた時間なので、山荘に泊まりゆったりした山行を楽しんでいるのだろう。五竜岳も鹿島槍ヶ岳も14年ぶりの再訪だが、山を始めたばかりのころに人に連れて行ってもらった山なのでほとんど何も覚えていない。こんないい山があったんだぁと、新鮮な感覚で山頂を後にしガラガラとした斜面を下る。


鹿島槍ヶ岳

 北尾根の頭にいったん標高を上げ、口ノ沢のコルに下り、再び標高を少し上げて、まだこんなに岩場を通るのかと思うほどの大きなコブを目前にして最後の踏ん張りをする。五竜岳の頂上滞在時間は5分間ほどであったが、それもこれもヤマテンの今日の予報は、この縦走期間中一番悪く、午後からの雷雨を避けるためであった。キレット小屋に着いた後、小屋番さから聞かされたのは、雷雨の注意報・警報がこの山域に出ていても、冷池山荘や種池山荘、扇沢の方に雨が降ってもキレット小屋周辺は降らないことがままあるということだった。この日も予報に反しキレット小屋からは夕焼けが見えたが、冷池山荘では雨に降られたということを後に知った。いずれにしても、高所の身を隠すことができない稜線で雷に遭うと命に関わることなので、早立・早着はこの時期は基本中の基本として押さえておかなければならない。


キレット小屋はこの先の鞍部

 山地図の五竜山荘からキレット小屋までの所要時間は5時間となっているが、その通りの時間でキレット小屋が目前というところまで来た。後ろからペアが来ていることは知っていたが、キレット小屋の全景をカメラに収めているうちにぴったり後ろに着いて、逃げ場のない岩場であっても避けろ、待つことはしない、必ず追い越すという強固な意志を、背後への超接近で感じる。結局その2人もキレット小屋から先に進むわけではなかった。疾走する日本経済を全部背負っているというような雰囲気を醸し出している頼もしい人たちだった。



ようやく憧れのキレット小屋へ

 キレット小屋には早着した人たちが数人いて、小屋前で寛いでいる。その中にベテランのご夫婦がいて、話しているうちに同じところに住む山のクラブの会長さんで、以前その会に参加していた私の山友の名前も出てきた。もう午後1時になろうとするころ、これから冷池山荘まで行くと言うのでびっくりするのだった。というのも「所要時間4時間」「テント泊」「雷雨警報」という条件だったからである。「お気を付けて」と見送るが、後日連絡を取ると、剱岳・源次郎尾根のためのトレーニングだったとのことであり、ただただ畏れ入るばかりであった。


キレット小屋

 今回の縦走ではビールと日本酒は山小屋で調達することとし、食事はすべて自前と予定していたが、小屋の受付にお弁当(シャケ弁)の残りが2つあるとの張り紙があった。お昼を作るのも面倒なのでそのお弁当を買い求めた(お昼の特価で500円)が、厚切りのシャケとともに鰻が2切れもあって、ビールを飲みながらの飛び切りの御馳走であった。


キレット小屋

  小屋で短パンに履き替えたが五竜岳で貼ったロキソニンテープはそのままだった。その膝小僧を見た新穂高を出発し親不知(日本海)まで歩くと言う単独のお嬢様が「着地をするときに膝の裏がたまらなく痛いので、それがまだあるのなら分けていただけませんか。」とおっしゃったので、2枚だけ予備を残して差し上げる。ズボンの膝の辺りは両方とも破れていて、針や糸を男性の登山者から借りて縫っている。このような若い人が長期間の苦しい(?)登山をしていることに、大いに賛辞を贈りたい。これまで車・バイク・海釣り・洋ラン栽培などに明け暮れていたが、登山というものを早くから知っていれば、余計な時間と金をそれほどつぎ込まなかったのに・・・。


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